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2006.11.27
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カテゴリ:アニメ・コミック
 娘のとろろ丼さんと録画しておいた、アニメ「地獄少女 二籠 第8話 偽地獄通信」を観ました。

 相変わらず怪進撃してます(^^;v

 人ならざる地獄少女やその仲間の妖怪たちよりも、依頼人にしてもターゲットにしても、人間たちの「恨み」という負の感情が育てる「悪意の発露」の方がずっと怖い。

 もっとも、地獄少女の閻魔あいちゃんは、昔は人間の女の子で、人身御供の為に両親ともども生き埋めにされて殺された、人間に対して深い恨みを持つが故に「地獄少女」になったという設定だし、あいちゃんを支える3人の妖怪たちも多分、何かの因縁を持つ、もとは人間だったヒトたちなんでしょう。はしばしに、なんとなくニュアンスがでてくるので。

 で、「第8話 偽地獄通信」の感想、以下ネタバレです。











 物語の舞台はどこかの学校で、「地獄少女ファミリー」はどうやら総出で調査にあたっているらしい。
 なぜなら、その学校の生徒のところへ、偽の地獄通信サイトのアドレスが、「地獄少女」を名乗るメールで送られていたから。
 ファミリーの調査で、その偽地獄通信は、馬場先生という厳しい女性教師に叱られた生徒のところへ届いていて、サイトに書き込まれる名はみなその女性教師であることがわかる。
さらに屋上に、サイトに書き込んだ生徒たちの名前を挙げて、これだけ多くの人があなたを恨んでいる、という地獄流し予告文が「地獄少女」の署名で掲示された。
 学校が調査にのりだし、偽地獄通信のサイト作成と「地獄少女」のメール発信が、あるパソコンの得意な女子生徒であると断定。女生徒は「学校からもらったメアドなんてずっと使っていない」と否定するが先生も親も信用しない。ただ、「被害者」の馬場先生だけは、「あの子はあんなことをする子じゃない」と言う。
 処分を受けた女子生徒のところに、「真犯人は馬場先生」という電話がかかってくる。深夜の学校に彼女を呼びだし、馬場先生に対する恨みをあおって、本当の地獄通信に馬場先生の名を書かせようとする真犯人。真犯人は、馬場先生の元教え子で、厳しい指導を逆恨みし、自分の代わりに誰かに地獄通信に馬場先生の名を書き込ませようと、入念な計画をたてていたのだった。
 けれども真犯人のもくろみは、あいちゃんと馬場先生によって阻まれる。馬場先生は、「あなたは教師としてやってはならないことをした。そんな教師を生み出してしまったのは私の責任」と真犯人の名を地獄通信に書き込みクリック。




 馬場先生の指導が厳しいといっても、体罰はないし、校則遵守とかで、ごくフツーの生活指導の範囲、別に理不尽なものではない。真犯人の逆恨みっぷりが強烈だ。自分の失敗まで全部、馬場先生のせいにして恨み、長年にわたって誹謗中傷、いやがらせの数々をくりかえしてきていた。




まぁ、所詮フィクション、しかもアニメ、ではあるけれど、自分の思い通りにならないことはすべて受け入れられずに、八つ当たりの逆恨みを暴走させていく・・その暴走に至るまでの域値が極端に低い人、は実は増えているのだと思っているので、この逆恨みっぷりはかなりリアルに感じた。
 「ガラスのプライド」・・そんな言葉が思い浮かぶ。自分の中でありのままの自分を認めて受け入れるような自己肯定感が育ってないから、特別扱いとか、人と比べての成功とか、他者の承認がないと自分が保てない。そんな、とても傷つきやすい人たちがいる。

 現実に直面しなければならないストレスを自分で受け止める余力がなく、自分を「傷つけた」「誰か」を攻撃したり、八つ当たりを自分よりも弱い人にぶつけたり、認められない自分自身をいためつけたりする。

 「荒れる子」「いじめる子」「いじめ被害を相談できずに抱え込む子」「自傷行為に走る子」・・・問題の根はつながっていると思う。

 
 「地獄少女」はアニメの他に、小中学生対象の少女マンガ誌「なかよし」に掲載されている。アニメもすごいが、大きな瞳の幼い表情のキャラクターたちが、えげつないいじめを繰り広げたり、「ムカつくやつの名前を地獄通信に書いて地獄へ流してやる」といきまくマンガ版も別の意味で鬼気迫るものがある。
 いや、マンガを非難しているのではない。多分、この他者への想像力を欠き、刹那的に「攻撃性」を「悪意」として吐き出すことでかろうじて生きている子どもたちのリアリティを感じるのだ。



子どもたちが共感を持つ「黒い心」のお話、

文部科学省や教育再生会議の委員たちにも

読んで欲しい気がする。

 







 
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Last updated  2006.11.28 01:05:01
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