テーマ:子育てと「道徳」(27)
カテゴリ:「道徳」について
昨日の日記で紹介した、中学校学習指導要領の「総則」から「道徳」の部分について。
この「総則」の文章があまりにも読みづらく、 これはどういうことなのか考えてみました。 思いついたのは、「改訂」を何度も繰り返しているうちに、 その都度、追加した言葉が、文章全体のバランスを崩しているのでは? ということです。 そこで、過去の学習指導要領を探してみました。 なんだか、中学生の自由研究みたいですが(苦笑) 調べていて面白かったです。 ウィキペディアの「学習指導要領」のページから、 過去の学習指導要領を読むことができるページをみつけました。 ↓「NICER 教育情報ナショナルセンター」という機関のページです。 http://www.nicer.go.jp/guideline/old/ そこで読んだ、昭和33年改訂版(明治図書)から、 総則の道徳部分を引用します。 第3 道徳教育 学校における道徳教育は,本来,学校の教育活動全体を通じて行うことを基本とする。したがって,道徳の時間はもちろん,各教科,特別教育活動および学校行事等学校教育のあらゆる機会に,道徳性を高める指導が行われなければならない。 道徳教育の目標は,教育基本法および学校教育法に定められた教育の根本精神に基く。すなわち,人間尊重の精神を一貫して失わず,この精神を,家庭,学校その他各自がその一員であるそれぞれの社会の具体的な生活の中に生かし,個性豊かな文化の創造,民主的な国家および社会の発展に努め,進んで平和的な国際社会に貢献できる日本人を育成することを目標とする。 道徳の時間においては,各教科,特別教育活動および学校行事等における道徳教育と密接な関連を保ちながら,これを補充し,深化し,統合し,またはこれとの交流を図り,生徒の望ましい道徳的習慣,心情,判断力を養い,社会における個人のあり方についての自覚を主体的に深め,道徳的実践力の向上を図るように指導するものとする。 道徳の時間における指導は,学級担任の教師が担当することを原則とする。 この昭和33年版から公立の小中学校に対して、 学習指導要領が強制力を持つようになったと、ウィキペディアにありました。 カリキュラムに「道徳」が登場したのはここからです。 現行の総則、道徳部分よりもずっとすっきりとした読みやすい文だと思います。 (そして、私はこちらの文章の方が好きです) でも、現行のものと同じ言葉がつかわれてもいますよね。 やはり、ルーツの文章から数回の改訂を経て、 その都度、新しい言葉が加わったり、削除される言葉があったりして、 結果として、一文がとても長い、( )でくくって分析して読む必要があるような 文章になっていったのだろうと思います。 本文も、昭和33年版が一番好きです。 また、別にご紹介します。 なんだか、手を加えれば手をくわえるほど おかしくなった教育行政そのものの歴史が反映されているような気がします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.05.13 00:52:16
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