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2008.06.17
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 本日の日記のタイトルは、久米田康治先生のコミックス『かってに改蔵』25巻(小学館 2004年)の第12話のサブタイトルというかテーマの引用です。丁度、「セカチュー」がすごく流行っていた頃の作品です。

 実は、この「世界の中心で気にされない」というフレーズが、先週の秋葉原無差別殺傷事件以来、思い出して頭から離れなくなっちゃったんです。加藤容疑者の携帯掲示版への書き込みの報道をみて、思い出したんです。
 なぜ思い出したかは次の日記にします。今回は、『かってに改蔵』第25巻12話(久米田康治 小学館)のご紹介とちょっと考えたことを。


 『かってに改蔵』はギャグ漫画です。世相批判も入っている相当のブラック・ユーモアと言っていいでしょうねぇ(久米田先生は「違います」とおっしゃるかもしれませんが・・)。自虐的で黒い笑いのギャグ漫画ですが、タッチが淡々としていて、絵柄もかわいくて、乾いた感じの作品です。




 まず、主人公の改蔵クンによれば、「世界の中心で気にされない」というのは、「明らかにその場所(世界)の中心的出来事(トピックス)なのに、誰にも気にされない」ことだそうです。なぜ「気にされない」かというと、「気にするといろいろやっかいなことになる」からだと改蔵クンは言います。

 このコミックスの「下っ端」「いじめられキャラ」の地丹クンは、「だいたい何事もコトナカレ主義はよくないよ。」「無関心が現代社会の闇を生むのです。」と、正論を堂々と述べますが、最終的には、「気にされない」ことを逆手にとった「見える忍者」(「気にされないことをいいことにやりたい放題の『隠密行動(?)』をする集団」の有望新人になってしまいます。

 改蔵クンや地丹クンが所属するとらうま高校の部活の部長、すずさんは、この「見えない忍者」たちに「あなたたちの手口は世界の中心だから通じるのよ」「都市型の人格というか、隣人への無関心というか」「田舎は気にされる。世界のはしっこでも気にされる」、と言い放ち、登場人物は田舎の人のあたたかさや高齢者が人を気にしてくれることの大切さに、一瞬思いを馳せます。でも一瞬ですね。

 そして、第12話のラストでは、「気にされない人たちのなかでも気にされない」ヒロインの羽美ちゃんが、「誰か、誰か私を気にして下さい!気にかけて下さい!!」と訴えていたけれど、うまくいかないまま、暴走・・
 「こうなったら、いやがおうでも気にせざるをえなくしてやるから!」と爆破テロに走る、それでも、「犯人」のことを誰も「見ていない」、普段は「気にされない人たち」が口をそろえて「犯人を見ていませぬ」というオチがつくのです。



 こんな紹介をすると、『かってに改蔵』を「有害コミック」と考える人がでてきてしまうかなぁ・・「テロ行為をしても気にされない、という誤った情報を青少年に刷り込む」とか「いじめを助長する」とか「差別的」とか・・・


 でも、今の生きづらさと、その中で生まれてくるマイナスの感情を「描いてはいけない」「考えてもいけない」ものにしてしまうのは、かえって負荷を強めることではないかと私は思います。

 ネットやゲームや漫画の規制はあまり意味がない。年齢制限をかけることも、その制限のかかる年齢の間に、心の強さ、タフさ、を育てていかなくてはまずいはずです。ただ単に、目に触れさせない、接触させない、というだけではダメなんです。無菌培養では年齢が達してもちゃんとした判断はできません。
 ご紹介した、『かってに改蔵』のエピソードの中で、「下っ端少年」地丹クンが、最初は「正論」を言っているのに、自ら「見えない忍者」の新人になって「迷惑行為をやりたい放題」になしまったというのは、久米田先生の慧眼だと思います。「正論」を知っているだけではダメなんです。精神的なタフさと戦略的に対処する知性といった、対処する力がついていなかったら、ダメなんです。

 『かってに改蔵』第25巻12話の中では、部長のすずさんの口から、「田舎」や「高齢者」の「あたたかさ」が語られますが、いまやそれもファンタジーの一種にすぎないかもしれません。「田舎」といえるような地域でも「得体のしれない」犯罪は起こっていますからね。
 誰もが「かけがえのない人」として「気にされる」地域は地理的に田舎であっても難しいかもしれません。

 マイナスの感情、怨念が生まれてきてしまっても、ある意味当然な状況があるのだし、そういった感情を持つこと自体を否認したところで、うらみつらみは感じてしまうと思います。マイナスの感情、それ自体を否定するのではなくて、ファンタジーや「夢想・妄想」を行動化しないストッパーを自分の中で育てて、鍛えていかなくてはならないのだと思うのです。ファンタジー自体に触れることが害なのではありません。夢想することが異常なこと、犯罪者予備群になることではないと思います。



 自分の中の「黒い感情」をギャグとして突き放して「笑う」ことだって、対処方法の一つだと思います。


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Last updated  2008.06.18 23:01:45
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