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カテゴリ:山田麗子(「遊育」副編集長/扶養なし)
幼児教育・保育の専門誌「遊育」編集長の山田麗子です。
本日は、最近、弊誌で紹介したビデオを再紹介します。 その名は、「3年間の保育記録」全4本。 リョウウガ君という男の子が、3歳で幼稚園に入園し、 卒園するまでの3年間の育ちと保育者とのかかわりを 「3歳児前半(38分)」、「3歳児後半(38分)」 「4歳児(46分)」「5歳児(57分)」に分けて収めたものです。 解説もはいっていますが、幼稚園の日常の保育の姿を 手を加えずにそのまま見せています。 子どもはこんな風に遊び、学び、育っているんだということ、 保育者が何を考えて支援しているかということが分かります。 「4歳児が面白いよ」とある方から推薦されたので、 私は4歳児編を真っ先に見てしまいました。 4歳児の何が面白いかというと、 友だちと同じようにやりたいのにできなくていらいらし、 友だちの輪になかなか入れないという葛藤を 保育者の手助けを借りながら乗り越えている姿が 映し出されているからということでした。 4歳にそうした発達の壁みたいなものがあることを 認識していなかったので、 そのアドバイスに従ってビデオを観てみて すぐに引き込まれました。 リョウガ君は、器用な子どもではありません。 誰ともすぐ友だちになれるというわけではなく、 細かい作業が苦手で、自分の思うとおりに できないとすぐ投げ出してしまいます。 やっとできた仲良しのお友だちは他にも遊び仲間ができて、 リョウガ君だけに付き合ってくれるわけでもありません。 いつも自分の思い通りにいくわけではないという現実にぶつかります。 はじめのうちは保育者が遊びを提案し、 リョウガ君が仲間に入れるように支援もしますが、 自分から、「仲間に入れて」「遊ぼう」といえるよう、 時には何も言葉をかけずに突き放します。 それに対してリョウガ君は、お弁当を食べないといった形で 反抗心を示したりもします。 しかし、さりげなく保育者が遊びに誘う中で、 リョウガ君も自分の気持ちを出せるようになります。 自分の思い通りの作品にできなくても気にしなくなります。 そして自分からこれをしたいといえるようにもなっていくのです。 子どもの1年というのはこれほどドラマチックなのかと 改めて気づかされました。 このビデオは保育者研修用でかなりお高いものですが (4巻で8万円、組み合わせ自由の2巻組で4万円、 1巻各2万5千円、岩波映像の企画・制作です) 保育者だけではなく、保護者にとってもためになる のではないかと思われました。 購入した幼稚園等で上映会が行われればよいのにと 期待しています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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