挑発17
あの時以来だ…俺は空手を始めたばかりの、高校時代の出来事を思い出していた。合気道…あの時以来の再会だ!「あんたの合気道…俺に試してみねぇかい?」あの時…俺は腕を捩じ上げられ、悲鳴を上げた。あの時の屈辱…まさか今夜、こんな形でリベンジする機会を得るとは!これも運命と言う事か…?俺はマスターに挑発的な視線を送った。格闘家なら必ず乗ってくるはずだ…自分で磨き上げた技を試したい!その相手が強ければ強い程、倒した時の快感はSEXにも勝る。格闘家とは、そう言う生き物だ…さぁどうするマスター?裸の美女は目の前だ!グラスを磨く手を止め、マスターは視線を俺に向けた。しばらくの沈黙…「ははは…ご冗談を!私はとっくに現役から退いた身です。とてもお客さんの相手など、務まりませんょ…しかし…それでは納得して頂けそうにも無いですね」「ふんッ。悪いけどマスター…その納得出来ないってヤツさ」始まる…俺は腰を浮かせ、前のめり姿勢になった!あの時の俺は、とても空手家と呼べる代物では無かった。空手歴一年足らずの高校生…余りにも未熟!今の俺は、ちょっとばかり違う…!?