カテゴリ:やすらぎへの道のり
自己資金はあまりなかったので、両親を説得してなんとか協力してもらおうと頼み込んだ。
おまえがやりたいことをやればいいといっていた親もさすがに、いざ実家以外のところに本拠地を構えるということになると、あまりいい返事はしなかった。 それは、もう私は実家に帰るつもりはありません、と宣言しているようなものだったからだ。 それでもなんとか強引に両親を納得させ、理解を得ることができた。 両親から借金するだけでなく、両親にも借金をさせ、当然、自分も借金をして物件を探しはじめた。 その頃私は30歳、上の子がまだ3歳、下の子が生まれたばかりだった。 なにもよりによってこんなときに大借金をして勝負をかけなくても、と親が心配するのも無理はない。 もちろん私にも不安はないわけではなかった。しかし自分の夢がかなうという期待の方がもっと大きかった。 伊豆に住んでいたのではじめは伊豆で探していた。 伊豆は地価も高くなかなか自分の手の届く範囲では思うような物件が見つからなかった。 ようやくなんとか手の届きそうなところがあったと思い、その気になっていたら違う人に決まってしまい、結局伊豆はあきらめることにした。 今度は首都圏からの交通の便を考え、東京にいたころバイクでよく行った八ケ岳の周辺で探すことにした。 開発が進み建て込んでいる伊豆に比べると八ケ岳は広々してまだ田舎っぽさが残っていた。 電車で来る人にも便利がいいように特急の止まる駅がいいと思っていたら、小淵沢にちょうどいい物件が見つかった。 周りの建物から離れていて駅や高速のインターからもさほど遠くない。 ペンションをやっていた人がやめて空き家になって2年くらいになっていた。 2年も人が住んでいなかったので庭は草がぼうぼうになり、木製のテラスは腐ってぼろぼろになっていた。 しかし基本的なところはしっかりしているし、中は意外にきれいな状態で保存されていた。 ぱっと見はおんぼろのようになっていたが、手直しすれば見違えるようにきれいになると思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.01.08 13:22:42
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