カテゴリ:バイリンガル教育
先日書いた中国の大学で日本語を教えていらっしゃる
日本語教師の方は、 「帰国子女を対象にした調査で、 小学校低学年の間に外国に移住し現地校に入学した場合、 その外国語が母語となる可能性が高く (そのかわり日本語は母語にならない)、 小学校高学年の間に外国に移住し現地校に入学した場合、 日本語が既に母語として定着しているため 外国語は第二外国語として学ぶことになる 可能性が高いらしいです。 問題は小学校3~4年生くらいの間に外国へ移住すると、 日本語もまだ固まっておらず、 外国語を母語に代えることもできずセミリンガルになってしまい、 大人になっても自分の言いたいことが 日本語でも外国語でも表現できなくなる人がいるそうです。」 と教えてくださいました。 ほんとに示唆に富んだ調査ですね! もしそうであるならば、 親の海外転勤などで小学校中学年で外国へ移り住む子供の 教育については、よほど慎重に考える必要がありそうです。 日本で小学校3-4年まで義務教育を受け、 その後海外に移り住み、現地校に通わせた場合、 第一言語である日本語の育成は3-4年生状態で中断され、 現地語のほうは1からのスタートとなるが、 こちらを第一言語とすることもできない。 それなのに、日本語も3-4年生レベルを維持することもできず、 どんどん忘れていく。。。 ということで、第一言語と呼べるものがない、とまで言ったら極端ですが、 小さい頃学んだ言語も、後から学んだ言語も しっかりと身につけることが難しい状態になる 可能性がありそうです。 小学校低学年で日本から外国へ移り住み、 その後の義務教育のほとんどを海外現地校で一貫して受けた場合は、 子供の第一言語は移り住んだ国の言語となりそうですが、 本当にそれでいいのかどうかは、 子供を現地校に入れる前に十分に考える必要があると思います。 小学校高学年以降に日本から外国へ移り住んだ場合は、 すでにある程度日本語が第一言語として固まっているとしても、 つばめの感覚ではやはり 義務教育の途中で第二言語環境(現地校)に移行すると、 第一言語が弱くなる可能性が高く、 あまり望ましい状態だとはいえないと考えています。 この日本語教師の方のお話を聞いてのつばめの感想は、 「もし私が小学校入学以降、中学卒業未満の子供を 日本から外国に連れて行くことになったなら、 たぶん現地校ではなく日本人学校を選択するだろう」 というものです。 つばめの結婚相手が移り住む先の国の人であれば、 子供の小学校入学前、あるいは中学卒業後の 日本から外国への転居であれば 現地校へ入れることも検討するかもしれませんが、 日本での義務教育がある程度進んだ段階での 海外移転の場合は、日本の義務教育を 中学卒業まで一貫して受けさせる方向で考えると思います。 これはあくまでつばめ個人の考えであり、 どの親御さんもそれぞれ、お子様の教育について それぞれの考えをお持ちのことと思います。 ただ、小学校3-4年生での言語環境の移転は、 よほど注意したほうがよいのではないか、 ということはいえるのではないかと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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