カテゴリ:バイリンガル教育
前回、「ルーツ言語」等のネーミングを
ある研究会のメーリングリストで 提案したことについて書きましたが、 今年3月に大阪で開催された 「子どものバイリンガル教育、継承語教育に関する 2つの科研の合同報告会」に参加した感想についても そのメーリングリストに投稿したので、 備忘録としてこちらもUPしておきたいと思います (一部はすでに3月27~4月5日のブログにUPしています)。 さて、大阪の報告会では「母語」「継承語」という言葉が 頻繁に使われていました。 私は日本語の話せない中国人と結婚して北京に在住し、 中国現地小学校に通うわが子に日本語を身につけさせるのに 苦労しており、わが子の状況は 日本で外国人児童が親の言語を学ぶのとは逆の状況ですので、 言葉を逆に読み換えてお話を聞いていたのですが、 同じ意味概念を指しているにもかかわらず、 外国人児童の親の言葉が、ある時には子供の「母語」と呼ばれ、 また別の時には、「継承語」と呼ばれるので、 やや混乱してしまいました。 特に日本で生まれ、日本の小学校に通う外国人児童にとって、 「母語」という言葉は、子供の親の言葉を指すのか、 それとも日本語を指すのかが聞いているうちに分からなくなり、 ときどき理解を誤りそうになりました。 特に日本に生まれ育ち、日本の小学校に通う外国人児童は 親の言葉をあまり「継承」していない場合も多いようで、 これを「継承語」と呼ぶのも、「母語」と呼ぶのも、 ぴったりこないという感じがしました。 母語という言葉にはその人にとって一番得意な 第一の言語というイメージがつきまといますので、 子供にとって使うのに相当不自由を感じるような言葉を 「母語」と呼ぶのは私自身はなんとなくしっくりきませんし、 親からほとんど継承されていない言葉を 「継承語」と呼ぶのもどうかという気もします。 やはり、「ルーツ言語」という言葉がぴったりだと 私は改めて思いました。 前回プリンストン大学の先生方が発起された 「継承語に代わる言葉のネーミング」に 「ルーツ言語」はどうかと提案させていただきましたが、 以下に、私が現時点で考えている 「ルーツ言語」の定義を示してみたいと思います。 それは、 ルーツ言語・・・血のつながりのある、子供のメイン環境とは異なる言語 というものです。 つづく。 (MHB研究会メーリングリスト 2017年3月24日 自分の投稿参照) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017/05/23 01:07:38 PM
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