コスモポリタン・ライフ

仕事先が変わるたび、あっちに引越しこっちに引越し、

会社の都合であっちこっちに引越し、

家を買ったといってはあっちに引越しこっちに引越し、

なぜかいつもスーツケースといっしょの生活が身についてしまった。

旅行や出張ならまだしも、

居住先が変わると生活用品すべてを処理しないといけないのでめんどくさい。

何と言っても困るのは、

当たり前だが、飛行機に持ち込める重量が制限されていることだ。

もちろん家具や大きい荷物などのほとんどはエアカーゴか船便で送るのだけど、

それらが到着して、受け取るのにはそれなりの時間がかかるので

身近に使うものは自分たちで持って行かないといけない。

現地調達も出来るが、「備えあれば憂いなし」。

私は、現地に行って買う場所が分からないとか、

ときには現地で手に入らないと「ああ、しまった！持ってこればよかった～」

と思うのは嫌なので、持てる物はすべて持っていこうと思ってしまう。

それに、「これは向こうで買うと値段が高いからこっちで買っとこう」と

ケチくさいことを考えているうちにスーツケースはどんどん重くなっていくのだ。

そういえば、ドバイの空港では、

多くのインド人やパキスタン人が重量オーバーの荷物がひっかかって

チェックインカウンターでたいへんなことになっている状況や、

中国人でも重量制限が分かってない人もいて

カートにものすごい荷物を積んで並んでいる人もいた。

重量制限を守らない人も迷惑だが、

ある意味、他人事とは思えない。

さて、

夫が先日、シルクマーケットといういわゆる偽ブランドが集まる市場で

スキーウェアを買った。

北京でスキーをするわけではなく、スウェーデンで買うと高いから今のうち買っておこう、

という理由だ。

ホンモノかニセモノかは別にして、 それでも見た目は十分役には立ちそうなモノだった。

この重量もあり、かさばるスキーウェアの上下セットをどうやって

スウェーデンに持って行くか、という話になった。

これをスーツケースに入れれば、ほかの必要品が入らなくなる。

さもなければ、カーゴを利用するしかない。

そこで私は、こう言った。

スキーウェアを着て帰るのはどう？

行き先がスウェーデンなら平気、平気。

そうすればスーツケースの重量もカーゴの手配も心配しなくていい。

多少、チェックインや入国審査のセキュリティで

手荷物の上げ下ろしをしているうちに暑くなって汗ばむかもしれない。

いや、何なら脱いで両手に持つことも出来るが、

手荷物のバッグを持ち、スキーウェアを両手に抱え、

機内でモサモサになっている男がいたら・・・・・

声をかけられるかもしれない。 

そしたら、

「あ、これ？

暑いから脱いでいるんです（汗）」 

といえばよい。