「ベランダから飛び降りた子」のニュースから学ぶ-3
ベランダから飛び降りてしまったお子さんのご冥福をお祈りいたします。・「飼い犬のしつけ」で、こんな実験をしているのをテレビで見ました。「お預け」を覚えた飼い犬です。ワンちゃんの好きなお菓子を目の前に置きます。「お預け」を唱えると、ワンちゃん、「オスワリ」の姿勢です。「ヨウシ!」の声を、じっと待っています。主人は「ヨウシ!」の声を、掛けないどころか、ソロソロと、後ろに下がっていきます。そして、その部屋から、表に出ていったのです。この実験の結果、1.主人がいなくなった途端に、お菓子を食べたワンちゃん。2.しばらく、我慢していたけど、我慢しきれなくで、食べてしまったワンちゃん。3.忘れた頃に、主人が戻ってくるまで、食べなかったわんちゃん。これの、3.のワンちゃんは、気を紛らすのが上手だったのか、食欲があんまりなかったのか、実に忠実だったのかは不明でしたが、1匹だけでした。そして、1.が、圧倒的に多かったのでした。・「注意をする人」がそばにいるときは、「注意を守る」。これは、覚えたのです。でも、「注意をする人」がそばにいなくなったるときにも、「注意を守る」というしつけはしてもらっていなかったのです。「主人がそこから席を立つ」という行動と、主人の「ヨウシ!」と唱える声とが、イコールだと思っていたのです。・「ベランダから飛び降りた子」の話に戻ります。お母さんがゴミを捨てに行っていたのが、ほんの5~10分間。今までは、お母さんがいなくても、じっと、5~10分間待っていることを学んでいました。なので、問題は起きませんでした。ところが、1つ、知恵がついたのです。お母さんがいなければ、怒られない。そんなら、できることで、やってみたいことを、やってみよう。ベランダの鍵を開ける。椅子を移動させる。その上に乗る。表の景色を見る。これ、できること、やってみたいことの集大成だったのです。この組み合わせを考えついたのです。そこまで、知恵がついたのです。素晴らしいことだったのです。でも、実に悲しい、恐ろしいベランダから転落という結果になってしまったのでした。<<<「席を外す」 ということ >>>お母さんが席を外してみる、という実験です。お子さんが「駄目!」を、どう理解しているかを知っておこうという話です。普段、あんまり飲んでいない飲み物があるといいんですが・・・。ここでは、カルピスとしましょう。2つの小さなコップを用意します。カルピスの濃さは、お母さんが水を入れて調整をします。その1つに、なんと、「お酢」をほんの僅か入れるのです。お母さんが飲んでみて、「なんか変」という程度です。もちろん、身体の調子が悪くなるようなものではいけませんから。実験は、「これ、飲んでみて」と、お子さんに、カルピスをテーブルに置きます。「美味しい?」と、聞くと「うん」と答えるくらいがいいです。「ああ、そう。口にあうのね」くらいの、普段の言葉をかわしながら、そのコップは、洗い場に持っていきます。少ししてから、「これは飲まないでね」と、はっきりと聞こえる声で、言いながら、お酢の混じったカルピスをテーブルに置きます。そして、別室に、何かを取りに行くような、感じで、席を立つちます。やおら、時間が経ったら、戻ってきます。お子さんの表情と、コップの位置を観察します。その結果で、どうのこうのということは、ココでは考えていません。お子さんの性格が垣間見えるのか、知恵の発達が見て取れるのか、なんなのかは、わかりません。実験をしたことで、お子さんに怒られることになるとしたら、残念な実験になります。ただ、ここで言えることは、お子さんが「我を忘れた行動」というものがあるかもしれないということです。道路の反対側に、いつもかわいがっている大好きな子犬が現れたら、いきなり、走り出すかもしれないのです。普段と違うお子さんの「突然の行動」の予測。これは、難しいことではあります。でも、案外、普段言われている注意事項の中に含まれているのかもしれません。マンションの窓の手前、テラスには椅子などの物を置かないように。テラスにあるエアコンの室外機の上にも、子供が乗れないように!など「我が家は大丈夫」には、要注意なのです。