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頑張ってSFを読もうの会、第2回です。
レム作品をとりあえず潰していこうということで短編集を読破しました。 株式会社 国書刊行会から出ているレムの短編ベスト10です。 「三人の電騎士」、「航星日記・第二十二回の旅」、「洗濯機の悲劇」、「A・ドンダ教授 泰平ヨンの回想記より」、「ムルダス王のお伽噺」、「探検旅行第一のA(番外編)、あるいはトルルルの電遊詩人」、「自来也エルグが青瓢箪を打ち破り事」、「航星日記・第十三の旅」、「仮面」、「テルミヌス」 が収録されています。 ロボットの話がかなり多いです。なので、最近のマンガや映画にふれている人にとっては、「別に驚くほどのことでもないじゃん」っていう話が多いです。大昔の小説なのでね。さすがにね。日本のマンガのほうが話練ってるからね。あんまり期待しないほうが良いですね。 最初の2話はもう全然記憶に残らなかったです。「洗濯機の悲劇」は洗濯機がIT化して、そのまま人型ロボットのようになって人間社会の中で混乱を巻き起こしていくストーリーです。そんな凄い洗濯機作っておいて、メーカーが無責任過ぎ、一般人が無能過ぎる悲劇です。「ドンダ教授」は教授はスパコンみたいなコンピュータに世界の魔術のデーターを入力しまくって、魔術を電子的に行おうとしていたら、データーの量が大きくなりすぎて、情報に重力が生じ、世界のインターネットが一瞬で使えなくなって、原始時代の生活に逆戻りするというお話しで、一番面白かったです。真女神転生の世界と同じだ~!!世界崩壊の前の未来描写で、未来化したアフリカの説明で、道路を整備するよりも、運びたい物資をヘリで運んだほうがコストが安いことがわかり、ものは全て大量のヘリで運んでいるっていう描写があるんですが、これ、まんまドローンだよね。やっぱ作家さんは先見性あるわ。 「ムルダス王」は謀反を起こされるのが怖くて、国全体に身体を拡張してしまった王様の話です。世界樹の迷宮っぽいと思った。 「電遊詩人」はまさにAI詩人の話です。過去の詩のデーターを入力しまくって、最強の詩人を作ったのですが、詩が上手すぎて、人間の詩人達が次々と自殺してしまい、社会問題になったので無人の星に捨てられてしまいます。 「自来也エルグ」はつまんないですね。青瓢箪はおそらく人間のことですね? 「第十三の旅」は、昔乾燥していたが、文明で水に満ちた惑星になった星の話で、水を賛美しなくてはいけないということで、常に家の中を水びたしにして、魚を崇めている人たちの話です。 「仮面」は殺し屋アンドロイド姫が自分の運命を悟りつつも意思に目覚めて冒険する話です。しかし足は何本もあるようです。 「テルミヌス」は「青い彗星」と呼ばれた古い事故った宇宙貨物船の中に住んでいる除染ロボットの話です。何十年も前に事故死した宇宙飛行士の助けを求めるモールス信号を何故か繰り返していて……宇宙の中で幽霊の存在を感じる話です。 ポーランドの人気投票で選ばれただけあって、振り返ってみるとバラエティー豊かな作品群ですね。 暇な人は読んでみてはいかがでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年05月05日 23時09分47秒
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