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再出発日記

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2006年07月25日
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なんて男らしい映画なのだろう。
「ココシリ」
監督 : ルー・チュアン
出演 : デュオ・ブジエ 、 チャン・レイ

チベット最後の秘境ココシリで、壮絶な大自然の脅威にさらされながら、密猟者から貴重な野生動物チベットカモシカを守るため、命をかけて有志で私設パトロール隊を組織す……いやパトロールとはいえない。密猟者と自然に対して「戦争」を仕掛ける男たちがいた。

実話である。
1996年11月の17日間の生死を別けた戦いを描く。
何をして彼らはここまでのことをするのか。それがずっと疑問だった。さまざまな職種の男たちが仕事をやめ、無償で、パトロール隊に志願したの理由はなんだったのだろう。無償といっても経費は要る。密猟者から没収した毛皮の一部をその費用に回す。この作品は北京のジャーナリストの視線から描かれるのだが、彼が「それだと違法なので記事に出来ない。」という。隊長はぼそりと答える。「チベットには、巡礼の僧がいる。彼らは見た目は汚いが、魂は清らかだ。」好奇心で出来る仕事ではないのだ。数回フラッシュで、パトロール対の全員が映った集合写真が出てくる。そこには20名近く隊員が映っている。しかし記者が同行した隊員は10名もいない。だんだんと彼らは死んでいるのだということに気がつく。そして最初はのどかだったパトロールも次第と犠牲者が出てくる。

何のために彼らはここまでのことをするのだろう。
土地の自然の一部である動物を守ることがそんなに大切なのか。ココシリとは、彼らが命を賭ける山の呼び名だ。「青い山々」とも、「美しい娘」とも言われている。オールチベットロケである。雪をかぶった山、宇宙に近づくような星々、チベットの自然は美しい。「俺たちは、ここに来るとすぐに帰りたくてたまらなくなる。けれども帰ると、また来たくてたまらなくなるんだ。」彼らにとってココシリとはそういうものなのだろう。つまりこの自然は反面あまりにも厳しい。後半は映像でそれをいやというほど見せ付ける。ハリウッド映画なら必ず奇跡が起きて助かるような場面でも、容赦なく人は死んでいく。

彼らは何を守っていたのだろうか。
この自然を傷つける。そのことだけが許せなかったのだろう。500頭ものチベットカモシカの皮が、砂漠の荒野に並べられるシーンは圧巻である。しかし、密猟者たちも追跡者と同じく貧しい。「俺たちもこんなことはしたくない。けれども、放牧が出来なくなったのだから仕方ない。」そのようにつぶやく。背景には中国政府の急激な自然開発の後遺症があることは明らかだ。

声高に中国政府を批判してはいない。けれども、文化大革命とか以外で歴史的な評価の定まっていない事柄についてこのような映画もできつつあるのだということを教えてくれたという意味でも貴重な映画。いや、それよりも何よりも、(こういう言い方も許して欲しいのだが)描き方がかっこいい。ハードボイルドな男たちばかりが出ている。ここ数年、チャン・イーモウやら巨匠はみんなハリウッド資本に流れていって正直不作続きだったのだが、やっと語るにたる作品が若い世代から出てきた。楽しみである。





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最終更新日  2006年07月26日 01時17分30秒
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