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2006年12月26日
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カテゴリ:洋画(05・06)
はっと気がつくとこの映画の感想はアップしていないことに気がついた。

「カポーティ」
1000937_01.jpg
作家は、どんなエンターテイメントを書こうとも、どんなノンフィクションを書こうとも、本質的にいつも「自分」を書いているのである。そのことを描いた作品である。

カポーティはネイティヴでスラム出身である殺人者のなかに自分を見る。白人で上流階級にいるカポーティであるが、不幸な家族環境にいたという出自と、虚妄で固められた自分の言動を一番嫌っていたのは、彼自身であったからである。だから誰よりもその殺人者を愛し、誰よりも極刑に晒されることを望んでいた。この映画の最後に死刑描写がある。フィリップ・シーモア・ホフマンの渾身の演技を見よ。カポーティがその後廃人のように過ごしたことも十分に納得できる描写だ。私はこの映画でカポーティの目を通して死刑を追体験した。死刑制度の是非は論じていない。けれども、死刑は一人の作家の人生を奪ったのである。

少し、脱線します。

安倍増内閣は法律遵守を進めることが世の中の進歩につながると考えているらしい。だから何の迷いもなく、いやあえて進んで、クリスマスの日四人の死刑囚に死刑を断行した。路上駐車は法律通り五分以上置けば自動的に罰するだろうし、飲酒運転は法律通り取り締まり、犯罪者は広く世間にお知らせするだろう。チラシを撒きに集合住宅に入り、住民から通報があれば法律通り勾留するだろうし、公安を総動員してでも犯罪者に仕立て上げるだろう。売春みたいな由々しき犯罪に対しては、通報すれば賞金をあげる制度を作るだろう。

ここでは死刑制度自体の是非はあえて語らない。話がややこしくなるからである。
路上駐車や飲酒運転やチラシ撒きや売春を罰することの是非についても語らない。
私が不安倍増なのは、こういう厳罰主義がどういう社会をもたらすか、ということなのだ。
斉藤貴男は「安心のファシズム」(岩波新書)のなかで「割れ窓理論」について語っている。軽微な犯罪の予兆段階でも容赦しない。警察権力の徹底した取締り。確かにニューヨークではそれで犯罪件数は減ったのかもしれない。しかし、大事な事はその犯罪の原因を探り、その原因の除去に努める事だろう。根本から間違ってはいないか。

映画を見ていると、カポーティが疎外された原因は、或いはネイティブの殺人者が生まれた背景には、白人の保守的な考えにあるのではないか、とさえ思ってくる。つまり、キリスト原理主義による「神と悪魔の対決する社会」である。そこではじめてこの映画はブッシュに追随する不安倍増内閣と結びつくということになるだろう。
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最終更新日  2006年12月26日 22時46分37秒
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