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2009年12月12日
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カテゴリ:平和運動
オバマ氏のノーベル平和賞受賞演説に対して、各紙は現実的な政策に対する報道に終始した。
けれども、gooの「ニュースな英語」のコラムニスト加藤祐子氏の指摘には私も興味を持った。
「正当な戦争はあるのか」という古典的なテーマに対して、ノーベル平和賞の受賞演説であるからこそ、これからずっとたたき台になりうるのだと言っているのである。

オバマ氏が語る「正しい戦争と正しい平和」 大量破壊兵器を作った男の平和賞を受賞して

全文をコピペすると膨大な量になるので、彼女の問題意識の部分だけを抜き書きする。けれどもずるいのは、彼女自身の見解は書かれていない。

人類が何百年、何千年も議論してきたこの巨大テーマに、オバマ大統領がひとつの演説でカタをつけたわけもありません。けれども、ノーベル平和賞授賞式という舞台でなされたこの演説は、もしかしたら、おそらく、今後何年にもわたり学生や学者たちが「正当な戦争とは」と議論するにあたっての基本材料になるだろう、あるいはもっと巨視的に「戦争と平和」そのものを議論するにあたっての基本材料になるだろうと、そんなことを思いました。この演説を下敷きに、何十本もの論文が執筆されるだろうと。それくらいのインパクトがある、なんというか「food for thought(考える材料)」に満ち満ちていた演説でした。

そして冒頭で触れたように、この演説が「ノーベル」平和賞の授賞式でなされたものだったという見事さ。あるいはふさわしさ。つまり、ダイナマイトという(当時の)大量破壊兵器を発明してしまったアルフレッド・ノーベルが、自分のなしたことへの後悔ゆえに創設した賞を得るには、もしかしたら「世界の平和を確保するための戦争」を戦っている「最高司令官」こそがふさわしかったのではないかと。

つまり、オバマ氏も演説で指摘したように、非暴力の抵抗運動ではヒットラーは倒せなかっただろうし、平和的な交渉でアルカイダを国際社会に取り込めるはずもない。国を守ると誓った国家元首としては、非暴力や恒久平和を主張していればそれで済むという、ある意味で恵まれた立場にはないのだと。選挙戦中にはなかったそういう厳しさが、授賞式のオバマ氏にはありました。若者を戦地に送り込むという厳しい選択をしなくてはならない立場に立つことを、彼は自ら選んだ。その人が、ダイナマイトの発明者が悔恨の念から創設した平和賞を受賞し、そして平和獲得のための方策を語った。その「ふさわしさ」は、これまでの数多の批判や皮肉をうけとめて尚、なかなかにアイロニーに満ち満ちていて、かつ感動的だったと思います。


そういう意味で、確かにこの演説はたたき台になるだろうと思います。
どこかに「資料」として置いておこう。12日には朝日が全訳を出していました。

これを受けて私の問題意識は三つ。

「JUST WAR 正義の戦争」とはありうるのかということの原理的な考察

「正義の戦争はありうるかどうか」ということと、オバマ氏が言っているように「いかに正当な戦争であっても、戦争は人間に悲劇をもたらすのだという真実も、常に並存しているのです。」という議論は分けて考えなくてはならないという考察。

もし「正当な戦争」はあるのだとしても、アフガン増派は「正当かどうか」ということとは別問題であるということ。


最初の問題がおそらく一番厄介なのだろうとは思います。
常に「現実」によって「検証」「反駁」されるからです。

※この記事ではJUST WARを基本的に「正当な戦争」と訳していますが、「正義の戦争とも訳される」と書いているので、わざとごちゃまぜにして書いてみました。でもこれもきちんと位置づけようとしたならば、翻訳の歴史から紐解かなくてはいけないのでしょうね。ちなみに朝日は「正しい戦争」と「」つきで訳していました。

このまま、終わると「具体的な意見を述べないでずるい」と言われそうなので、無知を承知でブログとしての気安さで私の意見を言います。

オバマは言います。
「『正しい戦争』という概念が登場し、一定の前提条件を満たす場合に限って戦争は正当化されるという考え方が生まれました。いわく戦争とは、最終手段として、あるいは自衛行為としてのみ容認されると。かつ行使される力の規模が適正で、かつ可能な限り民間人は暴力にさらされないなら、と」私はこの意味で「JUST WARはありうる」という意見です。もちろん「戦争は悲劇しか生まない」という認識の下で言うのです。(根拠は長くなるので述べません)

しかし、オバマのこの演説は正しいとは思いません。
アフガン3万人増派が正しいとは思いません。
日本の私達には中村哲さんの実践のような生きた具体的な実例がある。どのような行動が真に平和をもたらすのか、「戦車か、小さな花か」。アフガンの場合には、絶え間ない生活改善の努力、会話、そして信頼、そこから生まれる政治的な安定、民主制等々がよっぽど平和をもたらすだろうと思う。アメリカはまさにその反対のことを行なおうとしている。

この議論、やがて来年「坂の上の雲」論争まで発展しそうな雰囲気があります。曰く、日露戦争は「正しい戦争」、「自衛のために最終手段として適正な規模で行なわれた戦争だった」のか否か、という論争です。





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最終更新日  2009年12月12日 23時16分24秒
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