これは便利ですね。
復刻版日記。 第二弾をお送りします。 ただし、末尾に今日書いた追記を加えてあります。 ~~~~~~~~~ 「イヴの七人の娘たち 02」 天海祐希さんの二万年前の母 (5) 01月11日(日) テーマ「ミトコンドリアDNA(2)」 「イヴの7人の娘たち」という本の中に述べられている「解明された人類の歴史」。 それは人間の細胞内のミトコンドリアのDNAをたどると、今の全人類の共通祖先は約15万年前にアフリカに住んでいた「ミトコンドリア・イヴ」と命名された女性であるということです。 もう少しくわしく言うと、世界中の現世人類は、ミトコンドリアDNAを調査分類の結果、35の系統樹に分けられる。 つまり人類の共通先祖として35人の母が把握された。 さらにこの35人の先をたどって行くと、ついに一人の女性、つまり「ミトコンドリア・イヴ」と命名された女性に到達することになります。 欧州に限ればこの系統樹は7つとなり、つまりイヴの子孫である七人の共通の母がいたことになります。 (これがこの本の題名のもとにもなっています)。 またサイクス教授達によれば日本人の95%は9人の女性から派生したものだそうです。 このサイクス教授の学説(1996年発表)については種々大論争が続きましたが、現在はほぼ定説として承認されています。 ―――― ◇ ―――― ●「イヴ」はもちろん、あの人類の始祖、「アダムとイヴ」のイヴにちなんで命名されました。 もっともイヴはアダムの肋骨のひとつから作られたはずですが。 「Man’s rib(肋骨)」だった存在(女性)が、「Women’s Lib(女権運動)」を主張し出すなんて皮肉ですね。 (冗談、冗談! 冗談ですよ!) ―――― ◇ ―――― ●「ミトコンドリア・イヴ」のミトコンドリアとは人間の細胞の核の中に寄生している小器官、ミトコンドリアの事です。 このミトコンドリアは細胞核のDNAとは別の独自のDNAをもっています。 このミトコンドリアDNAは先祖の系統樹を調べるのにとても便利な性質があり(このことについては次回に書きたいと思います)、この研究の成果により、人類の歴史に於ける数々の大きな謎の解明が可能になりましたし、新しい発見も数多くあったのです。 ―――― ◇ ―――― ● ミトコンドリアDNAの研究成果として、解明された謎としてはいろいろのものがあり、例えば : ▼ 人類の発生はアフリカを単独の起源とする(単独発生説)のか?それとも世界中の色々な場所を起源とする(複数起源説)のか?アメリカ大陸の原住民はアジア系なのか? ▼ 帝政ロシアのロマノフ王朝の末裔と称した「アナスタシア」は果たして本物か? ▼ ネアンデルタール人は私達現在の人類の先祖か? ーーーー ◇ ーーーー ● ほかにもいろいろあるのですが、この本とは関係ないあるテレビ番組のことを今日は書いて終わりにします。 去年なにげ無しに見た深夜のテレビ番組なのですが・・・。 日本のある弥生遺跡の人骨から発見された「タイプー8」と呼ばれるミトコンドリアDNAは、先祖をたどれば約二万年前の中国のある女性に行くつくのだということです。 女優の天海祐希さんが、その「タイプー8」と呼ばれるDNAを持った一人だという事が判明して、その番組の企画として天海さんが、アジアに住むその「タイプー8」というDNAを共有する二万年前の女性の子孫、つまり天海さんの遠い遠い姉妹(親戚)にあたるわけですが、そう言う人たちを現地に訪ねて行くというものなのです。 中国雲南省の山奥やバイカル湖にまで出かけて共通の母を持つ、遠~~~い親戚であるところの女性達と、感激の出会いをするのです。 特に雲南省では何日もジープに乗っての苛酷な旅行の果てに、山崩れがあってそれ以上先へは進めなくなり、天海さんと同じ2万年前の母親を持つチベット族の女性は、自分の方から徒歩で二日もかけて天海さんに会いに来てくれて、天海さんも感激に涙目になっていました。 ロシアのバイカル湖の近辺に住む朝鮮族の中にこのDNAを持つ女性が点在しているのですが、天海さんが訪ねあてたある少女はたまたま地元で劇団に属して演劇を勉強しているのですが、バイカル湖のほとりで、演劇界の先輩である天海さんにこの少女が将来は日本にも行ってみたい、立派な女優になりたいと夢を語る場面が印象的でした。 ~~~~~~~~~ 追記。 もし自分の祖先を調べたければ、下記のサイトでこのサイクス博士が、希望者の祖先がこの35人のイヴの娘のどれに当たるかを調べてくれます。 下記はサイクス博士のオックスフォード大学研究室のサイトです(英語のみ)。 www.oxfordancestors.com 発行元のソニーマガジンのサイトでは申し込み方法などを日本語で解説してくれています。 www.sonymagazines.jp この本を朝日新聞の特集記事で紹介した担当記者が、自分のDNAを調べてもらったら、彼の先祖の女性は南米の原住民の先祖の「イネ」と命名された女性と判明。 南米の原住民はアイヌの人々とDNA的に一番近いと証明されています。 アメリカ大陸の原住民は、太古の昔にアジアから移住した人々です。 中には、アイヌの人々とDNA的にそっくりな人々もいて、アイヌの人々と先祖を共有していると言うことがわかります。 言い換えれば、彼らの先祖はアメリカ大陸へ移住していった人々と、日本近辺のアジアに残った人々に、分かれると言うことです。 この記者の先祖の一族の大部分は東アジアからアメリカ大陸へのgreat journeyに参加、向こうに定着したわけですが、この記者の先祖だけは日本近辺にとどまった少数派だったのでしょう。 12,000年前に、これらのアジア人は氷河期に海水面が低下して徒歩で渡ることが出来るようになったベーリング海からアメリカ大陸に渡ったと言われています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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