カテゴリ:F【外国】での想い出
今日の「ザ・ワイド」を見て、世界中のメディアが今回の福知山線列車事故をトップ・ニュースであつかっている事を知った。
その中でもユニークだと思ったのは韓国の新聞の見出しだ。 この大惨事に対して、「日本人の自尊心も脱線」とか、「技術力の欠点が露呈」だとか・・・。 なんとも、マナーの無い国民だな~。 鉄道事情が悪くて何度も大事故を起こしている英国では、日本の電車事故を大きな驚きで受け止めている。 「busiest and most sofisticated Japanese railway system 世界で最も過密で精密な鉄道システムを誇る日本の鉄道が・・・」とアナウンサーがしゃべっていた。 米国でも三大ネットワークがトップであつかっている。 車社会の米国では、日本のように電車が発達していない。 たとえば、ニューヨーク州の隣の高級住宅街とされるコネティカット州から、ニューヨークに通勤するとなると、二つのオプションがある。 車でフリーウェイを片道1時間ほどかけて(渋滞の程度にも依るが)、通うか? フリーウェイの渋滞地獄 アムトラックという日本のJRのような鉄道で最寄りの駅からニューヨーク(グランド・セントラル駅 Grand Central station)へ通うか? グランド・セントラル駅 正確に言うと、アムトラックは全国的な長距離の会社で、コネティカットとニューヨークを結ぶ路線は、同じレールを走る「北なんとか」という名前の会社なのだが。 反対方向のニュージャージー州(ニュージャージー訛りでは「ニュージョイジー」と発音する)向けの列車も別会社で、少し離れたペンシルベニア駅(PENNSYLVANIA station)(多分ペンシルヴェイニアと発音すると思うのだが)から出ている。 一般に外国の大都市の列車の駅は、一つの駅に扇の要のように集中しているのではなく、目的地別に数個の駅に分散していることがほとんどだ。 ロンドンでも、数個の駅に分かれていたし、パリでも・・・、「北駅」とかがある・・・。 (パリはあまりよく知らないので、・・・これぐらいにしといてやるわ) だから終着駅は本当に終着駅で、その駅で打ち止めになる。 話が飛んでしまったが、この米国の電車は、日本の通勤時の電車のように3分に一本なんてダイヤでは来ない。 一時間に2・3本がいいところだ。 だからその利便性で、とても日本の電車にかなわない。 これは米国だけでなく、どこの国でもそうだ。 また話が飛ぶが、全国路線のアムトラックは、見上げるような巨大なディーゼル機関車が牽く、完全に汽車スタイルの列車?だ。 駅に到着するときは、グォ~ンというディーゼルの音を響かせながら、またカ~~ン カ~~ンと鐘をつきながら入ってくる。 さすが大陸の列車だと感じる瞬間だ。 アムトラックの巨大な機関車 アムトラックにも事故はあった それで思い出したが、ロシアの列車も巨大だ。 私が見かけたのは兵員輸送列車らしく、ほとんどの窓はカーテンが引かれていたが、そのカーテンの隙間から、ロシア独特の帽子をかぶった兵隊たちが見えた。 また、思い出したが、サウジアラビアでアムトラックが走っていた。 東海岸のアル・コバール(アルというのは英語の定冠詞 THE にあたる)(スペイン語の EL は,AL からの借用語)から首都のリアドまで、大砂漠を突っ切って走る。 アル・コバールの駅なんてバス停に毛が生えたぐらいのものだが。 アメリカが建設したものだが、アムトラックの機関車とアルミ製の丸い車体の列車をそのまま持ってきている。 アムトラックの列車 一度乗ったことがあるが、確か8時間ほどかかったと思う。 途中はほとんど砂漠なのだが、以外にも緑の地域がある。 サウジアラビアの大砂漠の地底には、太古の昔から石油のように地層の間に滞留した水が大きな湖のように存在している。 乾燥しきった砂漠の下に満々たる水をたたえた地底湖があるとは皮肉な話だが、サウジはこの地底湖の水をくみ上げて(おそらく米国の石油掘削の技術が使用されているのだろうと思う)、灌漑を施し、農作物(主に小麦)を栽培し始めていたのだ。 井戸からくみ上げた水を長大なパイプ状のスプリンクラーで放水する。 そのスプリンクラーは、例えてみれば時計の針の様にグルグルと円形に回転して、その部分を緑に変える。 そういう巨大な緑の円がいくつも連なる地域がある。 こういう地域が拡大すると中東の気候も変わってくる。 それに産油国の大都市は、海水を真水に変える海水淡水化工場からの水を使って、花壇や芝生を増やしている。 おかげで、私が滞在していたアブダビやサウジでは、年に一回ほど大雨が降るようになった。 木々に小鳥がさえずるようになった。 乾燥を前提にして成り立っていた街に大雨が降ると街中、小さな洪水のようになる。 列車がリアドに近づくと夜のとばりが降りる。 列車はリアドに近づくとなぜかノロノロ運転になる。 一時間ほどノロノロ運転を続けて、列車はどうやら砂漠越えの難行を終えてリアドの駅に到着。 フランスの列車に乗ったことは無いが、地下鉄(メトロ)はある。 しかし、メトロの駅の周辺は使用済みの切符が雪のように捨ててある。 それにパリは犬のフンもそこいら中にしてある。 英国の鉄道事情もあまりよくない。 設備が古いし、従業員の質がよくない。 列車が時間通りに運行されることはあまり無いという印象だった。 私はロンドンの金融街、シティーというところにオフィスがあったので、ロンドン北部への路線の「ノーザン・ライン」という地下鉄で通勤していた。 この地下鉄は、郊外では地上部分を、市内では地下を走る。 ロンドンの地下鉄駅 ノーザン・ライン路線図 通勤の朝は、北部の地上駅で地下鉄を待つ。 15分に一本ぐらいのダイヤだっただろうか? しかし、時間の正確さはともかく、列車が運休することがザラなのには悩まされた。 どうも列車が来ないな~と思うと、アナウンスが始まって 「Due to technical reason」・・・、つまり、技術的な問題で、つまり車両故障で または 「Due to unavailability of driver」・・・、つまり、運転手がずる休みをしたから ・・・ 「この列車は運休といたします」と沈着冷静にのたまうのだ。 人種偏見かもしれないけれど、ロンドンの地下鉄の従業員は、駅員も乗務員もカリブ海出身の黒人が多いから、こうなのかもしれない。 「オイオイ! 冗談じゃないぜ! いつもこれじゃないか!」 とどなりたいところだが、周りを見渡してみるとさすがは英国人、何食わぬ顔をして表情を変えず新聞に読みふけっている(ふりをしている)。 私は彼らが結構あせっているのを知っているが、彼らはそれを隠したがる。 そういう環境にいた私だから、今では沈着冷静、どういう事態になっても興奮することはない・・・。 (これが本当ならいいんだが) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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