テーマ:女性について(55)
カテゴリ:🔴 M【メモ・サブノート】
ある雨の夜、一軒の韓国料理店に立ち寄った。
一人で飲んで食べていると、店にレインコートを着た一人の女性が入ってきた。 料理屋のママとは親しい様子で、なにやら韓国語での話題が弾んでいる。 とても大きな瞳の知的な美人である。 思わず、「あなたは美人ですね~」と私が言ったのがきっかけで、それから二時間ほど話すことになった。 彼女は「日本の寺院の仏像は公開されていないものがある。韓国ではすべて公開される。人々が寺院に来て仏像を拝んで癒されるのだから、日本でもすべて公開するべきだ」と言う。 それに韓国文化についていろいろな事を聞いて、参考になった。 韓国の女性とこんなに話し込んだ経験はない。 彼女は「普段はビールしか飲まないの」と言いながら、私の韓国焼酎の真露(ジンロ)にもつきあいだした。 そうして、彼女が「あなたは明日の午後6時から6時半の時間に、ここに来なさい」という。 韓国人だから、日本語がうまくても、今状況に合わない命令文で話したようだ。 ちょうど外では雨が降ってきた。 彼女が「私は雨傘を持っているから、一緒に帰りましょう」という。 相合い傘で歩いて、ある場所にさしかかったら、彼女が「私の家はここからすぐ近くだから、この傘はあなたに貸してあげる」というなり、小走りに闇の中に消えていった。 翌朝、玄関に女物の傘。 その雨傘を開いてみたら、日傘のような花のプリント柄のものだった。 とにかく、夕方6時に韓国料理店に行った。 恥ずかしい女物の傘も持参で。 ただでさえお天気がいい夕方に雨傘を持って歩いているのは、朝帰りの、それも女性の家に泊まったと言っているようなものだ。 「しかし、私の場合はちがうんですよ これははじめて会った女性が貸してくれただけですよ 肉体関係なんて無いんですよ」と、口の中でつぶやきながら歩いたが、すれ違う人々にどれだけ信用してもらえただろうか? まもなく彼女が来て、それから一緒に食べて飲んで、いろんな話をして、4時間ぐらいも経ってしまった。 彼女は、韓国女性の定番のホステスでは無く、日本であるビジネスをはじめるところだという。 日本人の男性と結婚したのだが離婚したという。 子どもがいるらしい。 彼女はなかなか頭のいい女性で、日本人には無い積極思考の人である。 やがてその店を出て、どこかに寄って行こうと言うことになり、彼女の知っているという韓国バーに行くことになった。 彼女はカラオケを歌ったり、他の席の客とも踊ったり、非常に楽しそうにしている。 私もそのバーの若いママさんと気が合って、ママさんと話し込んでしまった。 そのうちに彼女の入れていたボトルを飲んでしまったので、私が新しいボトルを入れて、また飲み直した。 まだママさんと話し込んでいたら、彼女がやって来て、「私は先に帰る」という。 どうも、ママとばかり話して、彼女と一緒にいないのが気に入らないらしい。 あわてて、私も彼女と一緒に出ることにした。 外に出ると、彼女は私のコートのポケットに手を入れてきて、お互いに手を握ることになった。 手を握り合って楽しく歩いた。 昨夜彼女と別れた場所に来たら、彼女はここから一人で帰るという。 しかし、ポケットの中では手を握りあっているし、私から【もう少し送ってゆこう】という提案をした。 と言うことで、暗闇の道を二人で歩いてゆくことになった。 途中で立ち止まって彼女にキスをした。 コートのポケットの中で手を握り合っているのだから、こんな状況で何もしないままでは、女性を馬鹿にすることになると思ったからだ。 こーゆー場合は、紳士たるもの、その女性の魅力に抗しきれない、貴方が魅力的すぎるから私は欲望を抑えきれないで野獣になってしまったのだ・・・というジェスチャーを示さないまま、「サヨナラ」と別れては、女性に大変な恥をかかせることになると思ったからだ。 彼女は、「ダメ!」と言ったが、特に逃げるそぶりは無く、キスには多少消極的ながら応じてきた。 しばらくして気がつくと、二人のキスシーンは、ちょうどそこは街灯の真下で、なぜか深夜なのに若い女の子が自転車に乗って通りかかり、私たちを見ている。 「こういうのは見ない約束でしょ?」 と言いたかったが、その子はもう闇の中に消えていった。 街灯の真下というのは、地政学上、マズイと思ったので、少々表面移動をして、今度は電灯の下ではなくて、ある家の門の前で、またキスをしてみたら、また「ダメ!」と言いながら、また応じてきた。 やはり「女性のダメ」は、「イエス」または「どうぞ」または「どうしても」や「お願い」に相当する言葉のようだと学習した。 このように小刻みに地点移動を繰り返しながら、キスを続けたのだが、そのうちに彼女はガクンと脱力系になってしまって、私が彼女を抱きとめることになった。 ~~~~~~ 私はキスがうまいらしい。 以前、ある女性に、「この前のキスは最高だったわ 今まであんなキスをしたことが無いわ 貴方はそれほどいい男でもないけれど(ウルサイ!)、あのキスをしたいために今日は来たのよ」と言われたことがある。 その女性とは、某ホテルで食事を終えて、最上階で飲んで、高層階用の下りのエレベーターに乗ったときにキスをした。 乗客がいないから、彼女を抱き寄せてキスをしたのだ。 それまで冷静に対処していたその女性が、キスには熱烈に答えて来たので、私も秘術を尽くしたら、彼女もしばらくして脱力状態になった。 エレベーターが終着階に到着してドアが開いたので、あわててキスをやめて、彼女を突き飛ばしてしらんぷりをした。(そこまではやらなかったが) エレベーターは上がったり下がったり。 それを何回も繰り返した。 キスとは、欲望先行で女性の唇をうばうことではなく、お互いの口で愛情を交わし合う、もう一つのセックスの形態だと思う。 男は自分が快感を感じるより、女性に感じてもらって、その反応に興奮するというか、プライドを満足させる動物だ。 つまり自己犠牲の精神に満ちた、崇高な生き物なのだ。 キスだけでなくセックスでもおんなじ。 ~~~~~~~~ ということで、キスにはへたに自信があったので、もう少し「成果」を出そうと思ってディープキスをしたら、なぜか彼女がとつぜん泣き出して、闇の中に走って逃げて行ってしまった。 どうして「ダメ!」なのか? キスに応えながら、どうして泣いて去ったのか? 女性心理の闇は、またしても深い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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