テーマ:女性について(55)
カテゴリ:E【東欧】および 東欧での想い出
昨日の「あなたの浮気度チェック」という日記に、ウイッシュ108さんがこういうコメントをくださった。
~~~~~~~~ >もう少しで殺されかけるような そそそそ~~そーんな恐ろしいことが あったのですかぁ~@@ 日記のどこかに書いてありますか??・・ ~~~~~~~~ マフィアのメンバーの奥さんとの「想い出」は、二日にわたって書いたが、その最後の部分はまだ日記に書いていない。 そのうちに書くことにしよう。 過去日記を探して、同じく「もう少しで殺されかけた話」の一つである「秘密警察将校の奥さん」を今ようやく探し当てた。 せっかくだから、それに今日はかなりの二日酔いだから、この日記を【復刻日記】にしてしまおう。 ―――― ◇ ―――― 【復刻日記】 ヴィエトナムでの「死にかけた話」は未だあるんですが、今回は趣を変えて旧共産圏の某国での「死にかけた話」。 あるパーティーにその土地の奥さん連中に誘われて参加したのですが。 なぜ奥さん連中に誘われたのか?を先ず説明しましょう。 ベルリンの壁の崩壊前の東西冷戦の時代です。 旧共産圏はレストランも原則的に国営ですからあまり美味しくありませんでした。 そこには競争原理が働いていないからです。 それに比べ、少数派の私営ライセンスを持っている店は、かなり美味しいのですが、そもそもレストランの絶対数が少ない。 首都の地図を見てみるとその中にフォークとナイフのシンボルでレストランの位置が示されています。 その数がほんの数えるほどです。 それに値段も高いから(外国人にとっては闇ドルの貨幣価値の関係で実に安いのですが)なにか「ハレ」の事でもない限り、あまり現地の人々はレストランには行かないのです。 でもそういう国では必ず家庭料理が旨い。 必要は発明の母、少ないレストランの数は美味しい家庭料理の母・・・。 私は独身だったのですが、レストランで一人で食べるのでは味気ない。 自分でマーケットに買いに行って自炊もしたのですが、やはり男の自炊は料理の種類もミニマムですし、美味しい料理を作り出す境地にまではなかなか上達しません。 ある時、仕事上で知り合った現地のある男性の家庭に招かれました。 家庭料理をごちそうになり、楽しいおしゃべりをしながら(このクラスの奥さん達はけっこう英語も話しました)美味しい料理を思い切り食べたのです。 私がモリモリ(ガツガツかな?)食べるとその奥さんは非常に喜んでくれました。 彼女たちの旦那さん達はこの奥さん達が手間をかけた美味しい料理に対する感謝のジェスチャーが、ふだん大いに不足していたらしいのです。 「もっと食べなさい もっと・・・」と、あきれている旦那さん達に見せつける様に食事をすすめてくれるのです。 (もちろん私もおみやげにワインやウィスキーや花を持って行きましたが)。 食事だけではなくて・・・。 奥さん連中は中年の、いわゆる倦怠期の人達で、旦那さん達からは彼女の「美」に対しての賞賛のジェスチャーが大いに不足している様で、さらに子供たちも巣立っていわゆる「空っぽの巣症候群」(元は英語でそれを正確に思い出せないけれどvacant nestかな?)奥さん連中はいろんな不満からアル中になっている人も多かった。 気の毒。 私は食事の恩義もあり、こういう「元美女」の昔の栄華?をしのびながら「あの奥さんはまだまだ美しい」とお世辞を言ったのです。 事実、昔の写真や肖像画を見ると美人でした。 直接本人には言わず間接的に他の奥さん経由。 これも陰険ですが、初めから意図したところではありません。 ただ効果は大ありでした。 これで「あなた、食べにいらっしゃい」と奥さん連中のプチ・パーティーや休日の別荘などに招かれるようになって、美味しい食事をごちそうになりましたし、家族旅行などにも参加したりもしました。 今でも彼女達に電話して「あの人は今どうしている?」など、懐かしい人達の話をすることがあります。 ついに離婚をしてしまったカップルもいるのですが。 ~~~~~~~~~ で、ある日の夕方、冬で雪が積もっていました。 彼女たちの友達の一人が主催するパーティーに、私も誘われて同行しました。 着いてみるとその国の人々が中心で、私としてはどの人が英語をしゃべれるのかわからないまま、しばらくは、暗~くひとりで酒だけを飲んでいたのです。 奥様方は hen's party というのか、女性同士でおしゃべりに夢中です。 その内にアコーディオンを弾き出す人がいてリクエストを募ったので、私はその国の愛国歌というか悲しい軍歌というか?そういう歌をリクエストしたのです。 その曲は私も知っていて、死んだ兵士の血がひなげしの花の様に赤く・・・という歌詞だったかな? 一人で飲んでいた私は酔いもあったのか?その曲を皆と一緒に歌いながら、どうしたことか?私の目から水分が、つまり涙がボロボロ出てきたのです。 外国人のくせにその曲を歌いながら泣くという愛国的な??私に、周りの人々がちょっとひいていてのを覚えています。 その後すぐダンスの時間になって、このパーティーに連れてきてくれた奥さん連中が誘いに来たのですが、私はこれでもシャイというか? ダンスが下手というか?(全然違う理由だろう?)、未だ踊っている人が少ない状態では踊れない人間なのです。 「申し訳ないが、後でね」・・・と断っていたのですが。 そのうち、身体にピッタリとした黒いレースのゴージャスなドレスを着たブロンドの女性が私に近づいてきて、黙って私の手を取って、・・・私は気がつくと彼女と踊っていたのです。 (この国の女性はほとんどブロンドなのですが) 私はダンスにあまり自信が無かったので、彼女の反応を見ようと彼女の顔を見てみると、とても優しい表情でニッコリ笑うのです。 しかも彼女、美人です。 その国の女性は一般的にやや小柄で、小粋で、どちらかというとほっそりした女性が多いのですが、彼女はどうもゲルマン系の血が入っているらしく、私と釣り合いの取れる長身で、しかもしっかりした体つきでゴージャス系の美貌、いわゆるクラッシー(上流)な容姿です。 (東欧にはドイツ騎士団の領土があり、ドイツの植民もありゲルマン系のドイツ系やオランダ系の人がいました)。 顔つきは違うのですが、雰囲気はちょっとマレーネ・デートリッヒを思わせる感じです。 彼女の笑顔に元気づけられて二三曲踊って、もう止めようかなと思ったのですが、彼女は止める様子がありません。 「私はダンスがへたでしょう?」と聞いてみたら「いえ、上手よ」とお上手を言ってくれました。 彼女がますます美人に見えてきました。 6曲程も踊るとタンゴの曲がかかり、私はついて行けなかったので席にもどりました。 それからようやく英語を話すスエーデン人の少年を見つけ出して話し相手が出来ました。 しばらくすると、くだんのブロンド美人がまた寄ってきて、今度はその家の内部を案内してくれたのです。 自分の家でも無いのに・・・です。 その家の夫婦の寝室にまで入って行って、そこの壁に掛かっている家族や共通の友人達の写真についての説明をしてくれるのです。 私としてはすこぶる付きの美人が優しく親切にしてくれるのでなんの不満もありません。 と・・・、その時、奥さん連中の一人があわただしく入ってきて、私に「もう帰ろう!」というのです。 私としては「え~~?どうして」です。 まだまだパーティーは続くはずです。 それにこんな美人と親しくなったのですから、できればパーティーの最後までいたい。 何かハプニングもあるかもしれないし・・・。 ブロンド美人が何か奥さんに文句を言って、奥さんが言い返していました。 私は結局、その奥さんの厳しい表情に押されて、他の奥さん連中と一緒にそそくさと帰ることになりました。 車の中で奥さん連中がむっとしている様な雰囲気なのです。 私が彼女たちとのダンスを断りながら、その一方であの美人とは何曲も踊ってしまったからでしょうか? 恐ろしくて、ムッとしている理由を尋ねることはしませんでした。 ~~~~~~~~~ それから半年ほど経って、またその奥さん連中と飲んでいました。 私がなにげなく「あのパーティーはあれからどうなったの?」と聞いたところ、一人の奥さんが急に険しい表情になって!、「実はあなたはあの時、ビッグ・トラブルに直面していたのよ」というのです。 「あなたがダンスしていた女性は、秘密警察の将校の奥さんだったのよ。 あの奥さん、あなたとダンスをした後で『彼はチャーミングだわ。彼とどうしても make love したいわ!』って言い出したのよ。 そうしたら、彼女の夫がそれを聞いて怒って、ピストルを持ち出して『その男を殺してやる』って言い出して大騒ぎになって、だから、あなたを急いで連れて帰ったのよ。 私達はあなたの命の恩人よ! それに私達とのダンスは断りながら、彼女とばかり踊って・・・」。 奥さんの旦那さんの一人が傍でこの会話を聞いていて、「秘密警察の将校?それはすごい地位じゃないか?」と他人事の様に感心していました。 しかし私は・・・ ガ~~ン!! 「日本人出張者の射殺死体が発見された」・・・という新聞記事が目に浮かびます。 私の死体はドライアイスを詰められて日本に無言の帰国をする。 多数の女性がすすり泣きながら迎える・・・。 (これは無いか?) それでも、実は、私は、あのブロンド美人について、もう少しだけ、詳しい話を・・・、どこに住んでいるとか、電話番号は?とか・・・、そういうことを少しでも、なんとか教えてもらいたい・・・強い願望があったのですが、奥さん連中の厳しい視線を前にして、もう何も聞き出すことは出来ませんでした。 それにしても私も危ないところだった。 それに彼女はどうしてパーティーの場でそんなことを言い出したんだろう。 彼女、キレる人なんだな~。 あの秘密警察の夫も、美人だが淫乱な妻に苦しんだのだろう。 (淫乱という言葉が好きなので、乱用しています)。 ひょっとしたらもう何人も射殺しているかもしれない。 (それは無いか?) 少なくとも、ああいうことも一度ならず起こったんだろう。 それにしても、安全な状況でもう一度彼女に逢いたいな・・・という気分も、正直言ってあります・・・。 あっ!そんなことを言っても、昔の話だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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