カテゴリ:E 【英国】および 英国での思い出
6/22 ロンドンの伝統的2階建てバス「ルートマスター」、今年のクリスマスまでに新型バスと交代
50年の歴史をもつロンドンの伝統的2階建てバス「ルートマスター」は、運転手と車掌が乗務し、後部乗車口にドアがないことから、乗客はたとえバス停でなくとも自由に乗り降りできるバスとしてロンドン市民から親しまれてきた。しかし、ケン・リヴィングストン市長が進める、「ハンディキャップがある人にも楽に利用できる交通機関」計画の一環として、ロンドン交通局では、今年の12月9日までをめどに、これらの旧型バスをすべて新型バスに代える予定であることを発表した。 ~~~~~~~~ ロンドンの二階建てバスは「ダブルデッカー」と呼ばれるが(deckとは船だと甲板、バスだと床板かな?)、その中でも旧型の「ルートマスター」というのが引退するらしい。 上にも説明があるように、運転手と車掌が乗務し、後部乗車口にドアがないことから、乗客はたとえバス停でなくとも自由に乗り降りできるバス・・・なのだ。 後部は本当にドアが無くて開口になっていて、その代わりにつかまるための金属製のポールがある。 その奥には二階への回り階段があって、このあたりに車掌がいて、停留所名を抑揚をつけた口調で告げる。 日本のバス市電の車掌のように、車掌用のがま口型のバッグを前にかけて、制帽をちょっと横っちょに、またはあみだに、かぶっている。 私はロンドンにいた時には、ほとんどバスには乗らなかった。 通勤は地下鉄のノーザン・ラインという路線で、これは都心からある程度離れると、東京の丸ノ内線などと同じように地上に出て走る。 私がバスに乗ったのは、ある日本食品店に行くために乗ってみたのだが、バスナンバーと停留所名をよく知らないと乗っていてもどうも不安だと知った。 車掌が次の停留所名を告げるのだが、車掌には下町育ち・コックニーの人間もいるので、メロディアスな呼び声はいいのだが、停留所名が私にはよく聞き取れないことが多かったのだ。 この後部が開いたバスに付いては、ロンドンに行く前から知識があった。 戦後まもなく、日本の新聞にも連載された「ブロンディー」という漫画があった。 40-50年代のアメリカの明るく豊かな絶頂期のある中流家庭の超美人でスタイル抜群の奥さん「ブロンディー」と、そのおっちょこちょいの夫、ダグウッドとの家庭生活が題材。 当時の日本の家庭から見れば超豪華な部屋と家具、それに家電製品をうらやましくみたものだ。 例えば電気掃除機・洗濯機・超大型の冷蔵庫。 電気掃除機は、日本のそれのような、チマチマしたアタッチメントなど無しのシンプルなもの。 超大型冷蔵庫の中には溢れんばかりの食品がずらりと並んでいる。 我が家は父親が新しもの好きだったせいで、東芝が戦後初めて発売した攪拌式の電気洗濯機が家に来た。 それにテレビも放送が始まった翌年には来た。 ただし、電気冷蔵庫と掃除機はだいぶん遅れて我が家に入ってきた。 畳の部屋にはそれほど電気掃除機のニーズが無かったのだと思う。 夫のダグウッドは、確か普通のネクタイではなく、蝶ネクタイをしていたと思う。 このダグウッドは日頃ブロンディーにお尻にひかれているのだが、食いしん坊で、夜中に腹が減ると、冷蔵庫の食材を取り出して、ダブルデッキどころか、10階建てぐらいの超大型サンドイッチをつくってかぶりつく。 それが何とも美味しそうで、これもうらやましかった。 このサンドイッチは、当時「ダグウッド・サンドイッチ」と呼ばれていた画、今はどうなのだろう? そういえば、「ちびまるこちゃん」も、夜中に起き出しては冷蔵庫の中をのぞく。 「私は夜の女王だよ 女王様とお呼び!」といいながら、コーヒー牛乳を飲む。 そこでナレーションが確か「貧しい女王様である」と突っ込むのだが。 ダグウッドはアメリカ人のくせに車で出勤しない。 今の話だが、NYへ隣州から通勤する人は、列車通勤する人がかなりいるが、それでも同じ地域から車通勤する人も多い。 バスとは、かなり職住近接なのでは無いだろうか? とにかく、ダグウッドの家の前の道路にはバス停があって、この「ルートマスター」型のバスが通っている。 ダグウッドはいつも朝食を食べながら一心に新聞を読んで、ブロンディーに怒られるのだが、バスの時間が来ると朝食もそこそこに、というか、トーストをくわえながら、もうバス停を出発しているこのバスに必死に走り寄り、この後部開口口びポールに飛びついてなんとかバスに乗れることになる。 古い映画を観るときに時々思うのだが、昔のアメリカの、特に東部では、今よりよほど英国に近い生活風習があり、それにアメリカ英語も英国英語に近いものだった。 古いアメリカ映画の英語(米語?)は、極めて聞き取りやすいものなのである。 今のように崩れた発音のアメリカ語になったのはどういうことが影響しているのだろう? 南部などの米語の影響がだんだん東部の米語をも変えていったのだろうか? 二階建てバスと言えば、これは単にロンドンだけのものでもない。 英国国内の大都市では、二階建てバスが走っている。 ただし、その地方によって色がちがうようだ。 意外と思われるかも知れないが、ドイツのベルリンにも二階建てバスが走っている。 私はそれで通勤していたことがあるから確かだ。 ただし、色は黄色。 香港にも二階建てバスがあるし、驚くことには二階建ての市電がある。 一般的に外国の市電というものは細身である。 それに日本人のイメージする市電とは異なり、かなりのハイ・スピードで走る。 この香港の二階建て市電ももちろん幅の細いもので、それが二階建てで、しかも急カーブをかなりのスピードで走るのを見ると、私は怖くなる。 この香港の二階建ての市電は、土地柄か?どうも薄汚れた感じで、同じ二階建てでも、粋な赤いロンドンのバストは大違いである。 全身に中国語の広告をベタベタ貼り付けられて、やけくそのように走り回っている香港の市電、なんとなく侘びしさを感じさせるものである。 「欲望という名の電車」って、こんななの? 違うか・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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