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民泊:無断転貸し…ブーム便乗、都内で横行
毎日新聞 6 時間前 住宅の空き部屋に旅行者を宿泊させる「民泊」を巡り、賃貸マンションを借りた上で大家に無断で旅行客にまた貸しする不正な民泊が横行している疑いのあることが毎日新聞の取材で分かった。民法は賃貸物件の無断また貸しを禁じているが、不動産業者によると、1泊の料金を家賃(月額)の1割程度に設定し旅行客を泊めているケースが多いという。外国人観光客増を目指す政府は大都市圏を国家戦略特区に指定して民泊を広げる方針だが、不動産業者からは「民泊の現場は無法地帯」との嘆き節も漏れている。【黒田阿紗子、古関俊樹】 「うちの物件だ」。東京・池袋の不動産会社の男性役員(36)は今月、米国発の民泊仲介サイト「Airbnb(エアビーアンドビー)」に、自社が管理する東京都豊島区の賃貸マンション一室の画像を見つけた。1LDKの8畳間に布団6枚が敷き詰められ、炊飯器や電子レンジもある。「10人まで泊まれるオシャレな物件♪」と記されていた。 この部屋は1カ月前、「妻と子供と住む」と言った20代の男が借りた。周囲が家族を見たことはなく、大量の布団が配達されるなど不審な点があった。 不動産会社側が男を問い詰めると、また貸しを認めた。家賃は10万円だが、男は1泊約1万6000円で他人を泊めていたという。不動産会社はすぐに契約を解除した。男性役員は「不特定の人が宿泊すると部屋が汚されたり、ごみ出しのルールが守られなかったりして資産価値にも影響する。不動産業として死活問題」と憤った。 今年7月、12階のベランダから中国人の女児(4)が転落死した渋谷区のマンションも不正民泊に使われていた。このベランダのある部屋は「社宅」として賃貸借契約が結ばれたが、サイトを通して無断でまた貸しされていた。女児の母親は友人ら約10人と旅行に来て、前日からこの部屋を含む4室で泊まっていたという。 自社の管理物件が無断でまた貸しされていないか、Airbnbの予約サイトを確認する不動産会社の社員=東京都内で、黒田阿紗子撮影 © 毎日新聞 自社の管理物件が無断でまた貸しされていないか、Airbnbの予約サイトを確認する… マンション管理会社は「部屋を借りた法人に対し、損害賠償請求など法的手段を含め対応を検討している」としている。 毎日新聞の取材では、新宿、渋谷、台東区などで同様の不正な民泊を10件以上確認した。自社の管理物件がまた貸しされていないか、サイトをチェックしている台東区の不動産業者は「エリアによっては、掲載物件の大半がまた貸しされたものだった場合もある」と話す。世田谷区の賃貸物件を民泊に回し、渋谷区でも民泊に使える物件を探しに来た男は、別の不動産業者に「家賃の3倍の収入がある」と話したという。 賃貸物件の無断また貸しが発覚すれば民法上、所有者側は契約を解除できるが、罰則はない。多くの不動産業者が「部屋がテロリストや犯罪者に使われる恐れもある」と懸念している。 エアビーアンドビー社はサイトで「法律を理解することが重要」と利用者に呼びかけているが、守られていないケースが多いとみられる。毎日新聞は同社の日本法人にメールで質問を送ったが、26日午後0時半までに回答が寄せられていない。 ◇近隣トラブル、苦情が相次ぐ マンションの民泊を巡っては、近隣住民とのトラブルも各地で相次いでいる。東京都渋谷区や大阪市、福岡市などで「知らない外国人がマンションに出入りして怖い」「宿泊者にごみを捨てられて困る」といった苦情が自治体の相談窓口に寄せられている。 また、旅行客を有料で何度も宿泊させるには旅館業の営業許可が必要だが、大阪市では「無許可で宿泊させているのでは」という通報が相次ぎ、市が今年4月からの半年間で30カ所以上を調査したところ、大半が旅館業の営業許可を取っていなかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.03.18 18:25:48
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