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記事 オスプレイのリスクを考える 機動力と抑止力の向上に利点、
普天間の辺野古移転は急務だ (1/2ページ) 2016.12.22 連載:「日本」の解き方 プッシュ通知 飛行が再開され、米軍普天間飛行場から離陸するオスプレイ=19日午後、沖縄県宜野湾市 飛行が再開され、米軍普天間飛行場から離陸するオスプレイ=19日午後、沖縄県宜野湾市【拡大】 米軍の新型輸送機オスプレイが不時着したことで、オスプレイ反対の声も高まっている。オスプレイは本当に危険なのか、そして普天間基地を使い続けることに問題はないのか。 オスプレイのリスクを数量的に考えてみよう。 それは事故率(10万飛行時間当たり。以下同じ)という指標でみることができるが、今回普天間に配備される海兵隊仕様のオスプレイは1・93となっている。今回の事故でやや高くなることも考えられるが、一応この数字を使おう。 また、空軍特殊作戦仕様のオスプレイは13・47、オスプレイと代替される中型ヘリCH46シーナイトは1・11、大型ヘリCH53シースタリオンは4・15。ついでに、垂直着陸ジェット機AV8Bハリアーは6・76、海兵隊平均は2・45だ。 こうした事故率の数字を見るとき、民間機との比較は慎重にすべきであるが、同じ軍用機とであれば容易に比較可能である。 オスプレイは1・93であるが、民間航空機は0・07なので27倍ほどリスクがある。ただし、民間航空機の数字は、例えば東京~ニューヨーク間を11万回飛んで1回起こりうる確率なので、普通なら起こりえない話だ。これがオスプレイでは4000回に1回となりうる。毎週往復して40年間くらいに1回だ。 オスプレイが普天間に24機配備され年間250時間稼働とすれば、8・6年で1件事故がありうることになる。ただしこれは民間人が被害者とはかぎらない。これまでの普天間での事故では、米兵の死亡者ばかりで、民間人に被害は出ていない。 同じ条件としてCH46シーナイトで15年に1件、CH53シースタリオンで4年に1件あり得るレベルだ。オスプレイでCH46シーナイトとCH53シースタリオンの双方の代替が進むのであれば、リスクは少なくなるか、少なくとも同レベルとみていいだろう。 オスプレイ配備についてのメリットはどうなるか。肯定論としては、速度と航続距離である。CH46と比べて、最高時速2倍、航続距離5倍。CH53と比べても、速度2倍以上、航続距離で1・5倍。また、固定翼機のように滑走路が必要ないので、米海兵隊の機動力が大きく増し、ひいては抑止力がアップされることがメリットだ。 現在、尖閣諸島の問題で明らかなように、米軍の抑止力は日本に必要である。なお、あまり知られていないが尖閣諸島には米軍の射爆撃場がある。沖縄本島から400キロメートルの距離で米海兵隊のCH46では難しく、CH53ではギリギリの行動範囲であるが、オスプレイでは楽々到達できる範囲だ。 オスプレイの配備によって、リスクはやや低下または同レベルなのにメリットが増すので、抑止力という点でオスプレイ配備は合理的だ。 オスプレイ配備をどうしても認めたくない人は、今回の事故を強調する。しかし、オスプレイではなく、従来のシーナイトとシースタリオンのままで普天間基地というほうがいいのか。 一般民間人を巻き込まないためにも、普天間を辺野古に移したほうがいい。
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.01.23 05:45:02
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