★ 記事 電力 九電、太陽光発電を一時停止へ 大規模停電を未然防止 三井物産がソフトバンクグループのSBエナジーと共同運営する熊本県荒尾市の大規模太陽光発電所(メガソーラー)。 九州電力は11日、太陽光発電や風力発電の再生可能エネルギーの発電事業者に一時的な発電停止を求める「出力制御」を13、14両日に九州地方で実施する可能性があると発表した。 離島での実施例はあるが、本格的なものは全国初。 日照条件が良い九州では太陽光の導入が急速に進むが、秋は冷房使用が減るなど電力需要は比較的少ない。再生エネの出力制御により、電力の供給力が需要を大幅に上回る場合に起きかねない大規模停電を未然に防ぐ。 九電によると、13、14両日に九州は好天が予想され太陽光の出力増加が見込まれる。一方、週末のため電力を使う企業活動は乏しくなる。九州で出力制御の対象となる発電事業者は全体で約2万4千件、430万キロワット程度だが、この一部が今回の対象となる。家庭用の太陽光など10キロワット未満はこの秋は対象外とする。 実際に行われる場合は、前日の段階で九電が対象となる発電事業者に出力制御の指令を出す。その際、規模や対象者の件数といった指令の内容を公表する。 九州で再生エネの出力制御の公算が大きくなった背景にあるのは、太陽光の導入加速だ。九電の電力網に接続する太陽光の量は今年8月末時点で807万キロワットと、再生エネの固定価格買い取り制度が始まった平成24年度末の7倍超。足元でも月5万キロワット程度のペースで増え続けているという。 大型連休中だった今年5月3日の昼間には、太陽光の出力が増えて、九州の電力需要の81%を占めた。 加えて、九州では川内、玄海の両原発の計4基が再稼働済みで供給力が底上げされている事情もある。 ただ、電力はためることができず需給を常に一致させる必要がある。需給バランスが大きく崩れると大規模停電が起きかねない。北海道が9月の地震で全域停電(ブラックアウト)に陥ったのは記憶に新しい。 電力が余る場合、国のルールでは、火力発電の出力を下げたり、電力を必要とする揚水発電を活用するほか、送電線を通じて他エリアに送る。九電は今月に入り、九州と本州を結ぶ送電線を通じて、悪天候の日を除いてほぼ連日のように他エリアに送電している。 それでも電力が余る場合の手段が再生エネの出力制御だ。世耕弘成経済産業相は5日の記者会見で「透明性・公平性の確保が重要」と述べており、九電は事業者間で回数に不公平感が生じないように配慮する。(森田晶宏)
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最終更新日
2018.10.14 14:39:16
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