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Motor & Outdoor Journalist 安藤眞の         逆説的よろず考現学

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Nov 19, 2014
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みなさん、こんにちは。

 トヨタの燃料電池車(FCV)「MIRAI」が正式に発表になりましたね。実は僕は、三栄書房「トヨタMIRAIのすべて」執筆のため、10月には取材をさせていただいていたのですが、発表前なので情報は一切出せずにいました。

 今日19日に正式に発表になりましたので、標記の件について、簡単に書いてみたいと思います(詳しくは日刊自動車新聞社”整備戦略”に執筆予定です)。 

 僕はそもそも、燃料電池をクルマに使うことにはずっと懐疑的だったのですが、実車が世の中に出てきて、なおさらその感を強くしました。象徴的なのは、価格と車重です。

 MIRAIの価格は、723万6千円。車重は1,850kgあります。

 一方で、日産の電気自動車(EV)リーフは、最上級グレードでも約368万円。車重は1,460kgです。

 FCVが主張するEVに対しての優位性は、航続距離の長さと充填時間の短さです。MIRAIの航続距離は700km、リーフは228km。MIRAIの水素充填時間は約5分、リーフは80%まで充電するのに約30分かかります。

 ここで考えていただきたいのは、「リーフにMIRAIと同じ価格と車重が許されたら、どうなるのか?」ということです。重量差は390kgありますね。そして、リーフのバッテリーユニットの重量は、約294kgです。もしリーフにあと390kg分のバッテリーを積むことができれば、航続距離は単純計算で約2.3倍になりますから、513km走れることになります(80%充電でも約410km)。これなら実用上、困ることはありませんよね?

 ならば価格は……、いくらリチウムイオン電池が高いと言っても、MIRAIとリーフの価格差は355万6千円もありますから、その差が埋まるほどにはならないでしょう。

 それでも充填時間が……と考えても、航続距離が513kmもあるなら、その間に食事もするでしょうから、急速充電時間の30分はどこかで確保できるはずで、実用上の不都合は無いはずです。だいたい、1日に500kmも走る人はそうそういないでしょうから、夜間に普通充電しても、十分対応できるはずです。

 むしろ、水素は補給場所が限られていますが、電気なら急速充電器の普及率は高いし、普通充電なら家庭用エアコンに200Vが引いてありますから、自宅に設備を作るのも難しくありません。となれば、充電時間の長さは、もはやビハインドとは言えなくなってしまいますね。

 水素ステーションを設置するには、1箇所5億円(ガソリンスタンドの5倍)ほどかかります。建設費用は国が補助するにしても、最初の5年や10年は利益があげられないでしょうから、民間が参入するには無理があります。

 FCVの車両価格は、これから下がってくるでしょうけれど、そもそも水素タンクがカーボンコンポジットだとか、大分減らせたとはいえ白金触媒が必須だとか、コストダウンできない要素が少なくありません。となると、EVに対して競争力を持つのは、これから先も難しいのではないかと考えられるわけですね。

 しかも、水素を天然ガスから製造している間は、総合効率ではディーゼルハイブリッドとほとんど変わりませんし、自然エネルギーを使って発電し、水を電気分解して作るくらいないら、最初から充電してEVで使ったほうが効率はよいわけで、この点でもFCVの存在意義が問われることになるわけです。

 MIRAIを取材してみて、低温性能の克服とかコストダウンの工夫とか、素晴らしいアイデアに感心する部分も多かったのですが、それ以前の根本的な部分で、やっぱり燃料電池車の未来は、あまり明るくないんじゃないのかなぁと思うのでありました。


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Last updated  Nov 25, 2014 11:23:52 AM
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