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カテゴリ:香港映画
今年下期の注目中華系映画、いよいよ公開!というわけで、公開2日目に行ってきました。自分が行った13:30の回も次の16:00の回も50~60人の入りということで、梁朝偉(トニー・レオン)や劉徳華(アンディ・ラウ)が出ていないにしてはまずまずではないでしょうか。ま、首都圏の中華映画ファンがこぞって集ったんだろうな、と想像しますが。 さて、物語はハリウッド映画「セルラー」の香港リメイク、と言われても、「セルラー」自体を知らないので、まるっきりのオリジナル映画として楽しみました。 普通の経理マン、アボン(古天樂:ルイス・クー)はシングルファザー。一人息子が留学に行くっていうのに仕事に追われ、空港には会いに行くから、と言って自分の姉に空港までの付き添いを頼む。そして仕事に一区切りつき、空港に急いで向かっている最中に鳴る携帯電話、それは突然誘拐監禁されたグレイス(徐煕媛:バービー・スー)からの、助けを求める電話だった。 最初は取り合わなかったアボンも、グレイスの必死さにちょうど通りかかった交通課のファイ刑事(張家輝:ニック・チョン)に電話を渡すが、そのときちょうど監禁場所には犯人たちが現れてグレイスはファイ刑事と話はできず。そしてまた電話がアボンに返されると、そこから聞こえてくるのは拳銃の音、情け容赦なく犯人グループはグレイスの弟の友達を射殺するのだった。 そして今度はグレイスの娘を誘拐しにいく犯人グループ、グレイスはアボンに「娘を助けて!」と頼み、アボンは学校に向かうが間一髪でさらわれてしまう。ここからが陳木勝(ベニー・チャン)のアクションの見せ所。犯人グループの車を追うアボンの怒涛のカーアクション!用水路を爆走し、道路を逆走してついには缶ジュース満載のトラックの荷台に突っ込む大迫力。 違う車に乗り換えて犯人グループを追跡するも、今度は携帯の電池切れの危機が。通りがかりの携帯電話屋で自動車用充電器を購入しようとするが、必死なアボンに対する店員のいい加減な応対に、拳銃を発砲して威嚇する。充電器は手に入れたものの、ここまで乗ってきた車を交通警官にチェックされたアボンは、あらたに拳銃で脅して車を手に入れ、何とかグレイスと連絡をとる。その間に、グレイスの娘は連れてこられ、犯人グループはグレイスの弟の病院に向かう。アボンにも弟の病院を伝え、間一髪で間に合ったかと思いきや、七と一を間違えてしまうアボン。 弟はバッグを捨てた山に連れてこられて、遂に犯人グループが例の物を手に入れたそのとき、アボンが横から奪い去り、山の斜面を落ちる落ちる。そして発砲事件がテレビを賑わしていたから、顔を見せるだけで車をちょこっと拝借できて、今度は追われる立場のカーチェイス。ハンドルを切り損ねたアボンは谷間に真っ逆さま、と思ったら、辛くも崖の手前で何とか止まる。で、脱出と同時に自動車は奈落の底へ。 例の物と弟の携帯を手に入れたアボンは、グレイスの携帯に電話をかける。取引場所に指定したのは愛する息子が旅立つ空港。 グレイスの電話が気になったファイ刑事は、一旦その住所を訪れるが、犯人グループの一人が自然な応対をしたため不審に思うことなく立ち去る。しかし、恋人と買物をしている最中にグレイスが北京語を話していたことを思い出し、単身グレイスの家へ潜入する。犯人グループの一人と対決して射殺したファイ刑事は、彼女の携帯に送られてくるボスからの指示を元に、警官たちを空港に向かわせて自らも空港へと向かう。 空港に集合した関係者たち。アボンの最後の戦いが始まる。。 いやあ、堪能しました、陳木勝アクション!『インビジブル・ターゲット』に負けず劣らず激しいアクションの連続に息つく暇もありません。最初の下水道を走るカーチェイスから、人と車の山からの大滑落、空港の倉庫内でのアボンとファイ刑事それぞれの戦いまで、これでもかっとばかりに激しい場面が続いていきます。お約束の警察内での裏切りもあり、最後まで目を離せません。 シングルファザーのアボン役に古天樂、ダメなパパがだんだんとヒーローになっていくところは、グレイスに同じ年頃の娘がいるからこそ同じ親として必死になれたのだろうなあ、とこのあたりに配役の妙が味わえます。確かにパパ役だと謝霆鋒(ニコラス・ツェー)や余文楽(ショーン・ユー)じゃまだ若いかな、という感じです。グレイス役の徐煕媛は香港電影金像奨主演女優賞にノミネートされるなど、監禁されながらも気丈にアボンと連絡を取り合い、娘と弟を思うシングルマザーを熱演しています。 冷酷非情な犯人グループのボスには劉[火華](リウ・イエ)。常にサングラスを掛けていますが、外したときの目は血走っていて、かなり危ない雰囲気が漂ってます。 そしてこの作品ではグレイスが北京語、アボンが広東語で会話していて、北京語が重要なアイテムになっています。七(チー)と一(イー)を聞き間違えたり、ファイ刑事がグレイス宅での応対を思い出したり。また主人公二人がともにシングルで子供を抱えていたり、ファイ刑事も恋人と一緒に買物してご飯を作る予定だったりと、最近の香港事情ってこんなのかしらん、と香港人の生活にまで思いをはせて。 最後にアボンの息子がパパ~と叫んで抱きつくところはほろっと来てしまいます。その親子を穏やかに見つめるグレイスも余韻を残していい感じ。最後のエンドロールの前、出演者やスタッフのテロップが携帯の画面に出るところまで凝っていて、この映画の真の主人公、携帯電話がクローズアップされています。携帯がなかった20年前には存在しえない映画だと、どこかの雑誌評に書いてありました。 期待を裏切らない、いやむしろ上回るほどのハラハラドキドキアクション映画でした。 公式サイトはこちら 8/2 新宿武蔵野館 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.08.03 23:26:35
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