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カテゴリ:観照 & 探訪
JR奈良線の奈良駅から三条通を東に歩み、猿沢池近く、興福寺南大門跡西側の階段を登ります。奈良国立博物館に行く時に私の好きな径路です。 石段の途中の踊り場から、三重塔に向かう小径があります。 その出入口の近くにお地蔵さまが数多く祀られています。 真新しい感じの赤い涎掛けが目に止まり、久しぶりに三重塔前まで寄り道をしました。 この地蔵菩薩立像がここの中核になるようです。 左(西)側奧に、南円堂が見えます。 観世音菩薩石像もあり、お地蔵さまと同様に赤い涎掛けがかけてあります。 五輪塔でしょうか。その残闕もお地蔵さまと同じように扱われています。 形はどうあれ、みなお地蔵さまなのでしょう。融通無碍です。 地蔵菩薩群のその先に、 三重塔 再建時の復古建築で、平安和様建築です。 かなり以前に公開された折に、1重の堂内を拝観しました。弁財天が祀られています。 興福寺の中金堂など主な建物ができ、創建供養が行われたのが714(和銅7)年。 その翌年に藤原不比等が死没。 716年 北円堂 726(神亀3)年 東金堂 730(天平2)年 五重塔 734(天平6)年 西金堂 813(弘仁4)年 南円堂 という形で、およそ100年をかけて、興福寺の伽藍が完成したそうです。 しかし、創建以来、7度の火災で焼失し、その都度再建、復興が行われました。 最後の火災は、江戸時代、1717(享保2)年です。再建は文政期(1818~1829)に行われました。勿論、すべての伽藍がその都度再建された訳ではありません。 1791(寛政3)年に刊行された『大和名所図会』に載る興福寺境内絵図には、中金堂は礎石だけ描かれ、講堂、西金堂もなく、三重塔が描かれているという姿です。 晴れた青空の下で眺めるのは良いものです。小ぶりですが優美な姿の塔です。 南円堂の南西側で、境内地の一段低い位置に建てられています。 石段に戻る際に見上げた南円堂。 石段を上がりきると、左(西)側に、東面する南円堂の正面が見えます。 南円堂の近く、参拝路を挟み東側に、不動明王が安置されたお堂があります。 通りがかったとき、丁度お勤めをされていました。 南円堂前で右折して、復興された中金堂の敷地の南側を通ります。 視野の切り取り方で、青空に浮かぶ雲の姿、その印象が変化します。 中金堂の再建落慶が行われたのが、2018(平成30)年10月です。 2014(平成26)年5月に再建上棟式が行われ、それから3年半の歳月をかけ、中金堂が復興しました。 1717年に中金堂が焼失して以来、301年を経たことになります。 五重塔の手前まで行くと、通行止めのフェンスが設けてあります。 何時もの径路を歩めなくなりました。 仕方なく、五重塔前で右折して、三条通に戻ります。通り側から北を眺めた景色。 五重塔前の参道は工事の一環なのか、道路にこんなシートが敷かれています。 五重塔の背後、一筋東の通りを通って、何時もの径路に戻ることにしました。 奈良公園に入るまでに、 「国宝 興福寺五重塔 保存修理工事」の通知立て看板が設置されていました。 保存修理工事は令和13年3月に完了予定で進行中です。 通行止めの箇所がありますので、興福寺に行かれる方は、ご注意ください。 9806 興福寺を通り抜ける何時もの径路に戻り、「大湯屋」を右に眺めて、奈良公園へと向かいます。 つづく 参照資料 *『奈良大和路 NEWブルーガイドブックス』 実業之日本社 *『図典 「大和名所図会」を読む -奈良名所むかし案内』 本渡章著 創元社 * 法相宗大本山 興福寺 ホームページ 補遺 大和名所図会 巻之1-6 / 秋里舜福 [著] ; 竹原信繁 画 興福寺は巻之2に掲載 :「古典籍総合データベース」(早稲田大学図書館) 興福寺の絵図 東側 (南円堂が描かれている) 興福寺の絵図 西側 (三重塔が描かれている) ネットに情報を掲載された皆様に感謝! (情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。 その点、ご寛恕ください。) 観照&探訪 奈良市 奈良国立博物館に -2 特別展「聖地 南山城」(1) へ 観照&探訪 奈良市 奈良国立博物館に -3 特別展「聖地 南山城」(2) へ 観照&探訪 奈良市 奈良国立博物館に -4 久しぶりの庭園散策(1) へ 観照&探訪 奈良市 奈良国立博物館に -5 久しぶりの庭園散策(2) へ 観照&探訪 奈良市 奈良国立博物館に -6 なら仏像館(1) へ 観照&探訪 奈良市 奈良国立博物館に -7 なら仏像館(2) へ こちらもご覧いただけるとうれしいです。 スポット探訪 [再録] 奈良 興福寺境内を通り奈良国立博物館に スポット探訪 [再録] 奈良 興福寺国宝特別公開2013 南円堂・北円堂 観照&探訪 奈良散策 -2 興福寺中金堂と諸堂の眺め 探訪 奈良・興福寺 境内のお地蔵さまほかと境内点描 観照 奈良の夕景 興福寺諸堂・猿沢池からの遠望・率川地蔵尊・こんなお話 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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