カテゴリ:接着剤の話題
今回の茶々丸製作においては本当に大量の接着剤を使用しました。
用途も特性も類似した大手2社のセメダインSUPERXG(以下XG)とボンドウルトラ多用途SU(以下SU)ですが実際の使い勝手には若干の違いがあったのでまとめます。 共通の特徴 ・無溶剤性(嫌なにおいが少ない) ・無揮発性(密閉しても膨らまない) ・超多用途(様々な素材に接着) ・弾性硬化(固まるとゴム状) 使用感の違い 塗布時間について 今回は、EVAマットにストレッチエナメル(レオタード地にエナメルコート)を貼付けるという用途で、その際の条件は以下の通り。 貼り合わせる素材 EVAマット:柔軟で多孔質だが通気性、親水性がない エナメル生地:柔軟で親水性があるが、通気性がない 貼り合わせ形状 EVAの三次曲面に2WAYのエナメルを引っ張りながら貼り込む 面積が広く布を通して塗りムラが露呈しやすいため、素早く薄く均一に塗布しなければならない。 貼り込み作業中は接着した面同士がある程度自由に動く必要があるが、密着後は速やかに固化しないとエナメルの弾力ではがれてしまう。 ここで重要なのが可使時間。SUもXGも空気中の水分で硬化するするためチューブから出すとしばらくは流動性があるがすぐに固まり始める。SUとXGは固まり始めるまでの時間に違いがあるのが大きな特徴だ。チューブから出して塗りのばすだけで固化に必要な水分を吸収し固まり始めるため流動性があるうちに塗布を終え、エナメルを貼り伸ばさなければならない。 このグラフは先週の作業時での状況だ。SUはXGよりも反応が早く素早く硬化を開始するため広い面積に時間をかけて塗り伸ばすには向かないが、固定時間が短く済み、通常の接着作業では作業効率が高い。XGは固まるまでの時間が若干長いため塗り伸ばし時間が長く取れるので広い面積に塗布しやすく、また貼り合わせ後に位置をずらすなどが可能だ。比較のためにG10ボンドは通気性のある素材同士を貼り合わせた「open」と今回のような通気性のない素材を貼った場合の「close」の硬化時間を載せた。 広い面積にエナメルを貼り伸ばすにはXGのほうが作業性がよく有利だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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