男が女の身体になるための計算と補正と演出
プロフィール写真にもありますが、ザクロ姐さんも犬署長も中身は私が演じているわけなんですが、体格や体型の違いがわかりますでしょうか。着ぐるみだからただ着ればいいというわけではなく、ときに色っぽく、ときに逞しく、そのキャラクターに合わせた体格の演出をしなければなりません。特に、衣裳が小さくボディラインが露出してしまう場合、ちゃんとそれらしく補正しないと中の人の骨格や体格が表れてアンバランスになってしまいます。さて、私は姐さんを着るときには肌タイツの下に自作の胸尻パッド付きコルセットを装着して、およそB105,W74,H108となり、署長の時にはこれも自作の筋肉スーツをボアの下に着てB135,W85,H95のマッチョボディに仕立てています。ちなみに何も加工をしない場合はおおよそB92,W78,H90,178/68kgなので補正の量がどれほどなのかよくわかると思います。はたして、この量がバランスとしてどうなの?という問題なんですが、試しに計算してみるとですね、結構この計算式が眉唾というか、様々な理論によって算出方法が違うので何とも言えないんですけど、と、前置きしておきます。算出数値は幾つかのサイトに掲載されている係数の平均から求めています。女性の理想体型の計算方法の例 トップバスト = 身長×0.53(0.52ー0.55) (もちろん並乳キャラのサイズです) アンダーバスト = 身長×0.45(0.43ー0.48) (男性の胸囲に相当?) ウエスト = 身長×0.39(0.37ー0.41) ヒップ = 身長×0.56(0.54ー0.57) 太もも = 身長×0.30(0.29ー0.31)さて、こんな体型、一般人にはありえねぇ!ですよね。こういう体型を物凄い苦労しながら維持していられる、ごくわずかな人たちがプロのモデルになれるわけで。では、さっきの私の補正後の体格と比べてみましょうか。青字は身長から算出した理想サイズですが… 身長 178cm 181cm 190cm 199cm 姐さん補正後 トップバスト 94cm 96cm 101cm 105cm 105cm アンダーバスト 80cm 81cm 86cm 90cm 93cm ウエスト 69cm 71cm 74cm 78cm 74cm ヒップ 100cm 101cm 106cm 111cm 108cm178cmは素の私の実身長。面をかぶると面と髪の毛の厚さで181cmに、さらにヒール9cmのブーツを履いて190cm、そして姐さんには獣耳が生えているので耳の先までで199cmになっています。これを印象身長と呼ぶことにします。これを見てわかりますように、「見かけの身長(印象身長)に対してバランスをとっている」ので、実身長からはかなり太めのウエストも印象身長から見ればちょっと細めに見えるというわけです。またショートパンツの裾を設定より広げて腿を細く見せる効果と、腿の付け根まで見せて脚長効果を狙い、さらにはウエストの角度をフロントダウン、リヤアップにしてウエストの位置を高く演出。そして、尻尾の付け根を尾骨より数センチ高い位置にすることで「尻尾より下は全部脚」を強調。写真に平行線を引いて実測しないかぎり、スリム、ナイスバディ、脚長に見える事を狙っています。ヒールを履いたり、ヘアスタイルをアレンジして体型を縦長に見せたり、衣裳のデザインを利用してスタイルをよく見せるというのはファッションの基本ですから、多くの人がやっていることで、非常に効果的です。「そんなにでっかいとは思わなかった!」って思った方、ありがとうございます。単独で居たときにバランスよく見えれば着ぐるみの身長なんて関係ないんです。キャラのイメージ通りのスタイルに見えることを目指しています。どうせアニメは大きさがわかりませんし、子供が近寄ってきたらすぐにしゃがんでしまえばいいんです。犬署長の方は、実写の身長に近づけるため15cm厚底ブーツと視界を口の位置にすることで耳の先まで215cmになっています。バンもセンちゃんも180cm以上ですから、彼らを見下ろせる体格にしなければなりません。以上を踏まえ、現在パワーネット製の新型全身補正下着を製作しています。詳細は後ほど。