白湯 (さゆ)
時折痛む持病の胃痛の痛み止めの薬を飲むのに…「白湯をいれてくれるかな…」とスタッフに頼むことがある。約9割以上のスタッフは、首をひねった。「???」「薬を飲みたいから、ぬるま湯がほしいんだ、入れてくれるかな」こう伝えると理解する。今や『白湯』という言葉を理解している若者は、非常に少ないことに気づく。「ドリンクカウンターのポットのお湯を水でわって、持ってきてくれるかな…。薬が飲みたいから、ぬるま湯がほしいんだ」ここまで言って、ようやく理解する人もいる。これを言ってもわからないと…もっと胃が痛みそうなので…僕自身が自分でとりに行く。さて、持ってきた『白湯』の温度は、これもマチマチだ。熱湯に近かったり…ほとんど水だったり…はたまた氷を入れてくるなんて場合まである。歴史ある日本文化は、すでに終わった。時々、「白湯を持ってきて…」とか「賄いを食べる支度をして…」とか言いつける。こんなことは、自然なことで当たり前のことなのだが…。おかずを見て、例えば醤油が必要だとか醤油を入れる小皿が必要だとか箸、吸い物の椀などまで、気がついて、すべて用意できる人は、ほとんどいない。大抵の場合、僕が持っていくか、「これは?あれは?」…と、ひとつひとつ指摘することが多い。何度か一緒に食事を共にして、少しづつできてくる。自分たちが食べる食事でこの有様なのだから、お客様へのサービスの気遣いなんて、ほとんど出来ないと判断して間違いないだろう。気がつかないから、考えもしないと思う。気がつけば、それについて考えることもあるだろうし、疑問もわいてくる。それは、他店、チェーン店でのサービスの経験があっても同様だ。マニュアルで徹底的に鍛えられたはずだが…そのサービスの本来の実力は、限りなく無力に近い。アウラではマニュアルは、いらない。…そう判断した理由はそこにある。『気がつく力』と『考える力』をつけなければ話にならない。…そう思っているから…。ただ、伸びる人は、auraを辞めないことが多い。理由あって、一時的から長期的に休むことはあるが、辞めようとはしない。辞める人は、すぐ辞める。それは、それで仕方ないと僕は思う。僕のやり方やお店に…あう人とあわない人もいるだろう。それは、スタッフだけではなく、お客様もそうかもしれないと思う。万人に好かれる店や料理を作りたいとは思わない。万人ではなく、どちらかと言うとマニア志向のお店を目指したいと思う。少しづつでよい…人を気遣い、思いやることができる本物のサービスを身につけて…多くのお客様の笑顔にふれてほしいと心から願う。アウラ クチーナ イタリアーナ HPアウラ 食べログアウラ 一休レストラン(サービス料インクルード)aura cucina italiana インスタグラム