運転免許を更新するために、講習を受けている最中、ぐらぐらぐらっと来ました。
今までに体験したことの無いような、地面の奥深い場所から身体の内部を鷲づかみにして揺り動かす、その間隔が非常に長く感じられる振動でした。
となりの席で受講していた、黒いワンピの若い女性が、セミロングの髪に表情を伏せながらしきりに、「こわい、こわいよぉ・・」と、ちいさくつぶやいてます。
思わず、「大丈夫だから」と声をかけてしまう。
運転免許センターの教室の各所には、ビデオ講習のためのブラウン管のタイプの大きくて重そうなモニターテレビが吊り下げられ受講者の頭上で、今にも落下しそうにぐらぐら振り子のように揺れています。
それに気付いた警察OBらしい講師の男性が、モニター近辺の受講者たちを移動させましたが、それに関わり無く大きな揺れは続きます。
2時間の講習はまだ30~40分ほどしか進んでいませんが、ここで早めに10分の休憩タイムに。
ロビーに出たみんなは、テレビ中継に群がります。
いちばん最初に他所の人から聞いたときは震度5なんて言ってたけれど、震度もマグニチュードも刻々と変化して大きくなって行く。
各教室から大勢が集まってるはずのロビーなのに、とても静かです。
みんな、言葉少なでニュースを見守っています。
けれど、この時はまだ津波の知らせは来ていませんでした。
休憩時間が終わって教室に戻ると、「今日は、これでオシマイ」との講師の言葉。
なんでも緊急事態ということで、運転免許センターとしても異例の決定らしい。
優良講習者と同じ、1時間足らずの受講時間で終了してしまった、はるるさんの免許更新。
でも、単純に喜んでる場合じゃないんだよなぁ~~。
自宅に戻ってから、冷や汗をかいたことがある。
実は、大地震の前の日にムスメが再び太平洋の浜辺で流木集めにひとりで行って来た。
今回も収穫は多くて、なかなか良い素材が揃ったなんて報告してたんだけど。
実は、当初はこの地震当日に予定していたらしい。
太平洋に面した茨城県の海辺に、たったひとりで無人の砂浜にうろうろしてたら・・・
そんなことを想像すると、ぞっとしてしまう。
津波の時刻には、夢中になって流木漁りをしてたと思うので・・・
仲良く流木といっしょに、遥かな沖合いまで漂流してしまったかも知れなかったのだ。
今回も、被災地の皆さんでも間一髪のタイミングで助救かったひとも多かった。
忘れ物を取りに自宅へ戻った男性が、津波に巻き込まれてしまい、2日2晩も屋根のかけらにすがって太平洋の沖合いに流され、たまたま自衛隊のイージス艦に発見されたケースなど、宝くじに当たったような確率なんだろうけれど。
出来る限り、こんな幸運なチャンスが被災者の皆さんに訪れますように☆