ーーー絶望した側が、戦いに勝つことがよくある。
「これはあのヴォルテールの言葉なんだけど、僕は、この言葉がとても好きなんだ」
初めて聞く警句だったが、正平は何度か頭の中で呟いてみる。
「正平君、絶望というのは希望の種のようなものなんだよ。人間が前世から引きずって来た業や因縁のようなものを、この現世で断ち切るには、よほどの意志力と覚悟が必要なんだ。そして、そうやって絶望したときこそが、そのカルマを解消する一大チャンスなんだ。むしろどんな苦労も、そのためにあると言っても言い過ぎじゃない。」
2006年11月に発行された、白石一文の4つの中篇小説を集めた本「どれくらいの愛情」のなかで、いちばん長い表題作の一節です。
読んでいて、それまでの白石作品とちょっと作風が変わって来てるかな?と感じました。
なんだか、未曾有の困難と危機に直面した日本という国家の姿がダブッてしまい、妙に身につまされる思いです。汗
相変わらず真摯で、ひたむきな主人公が多いんだけど、今回は白石作品によく登場させる美男美女の超エリートばかりでなく、少し外れた視線からのアプローチも多くて、感情移入がしやすいかも。
<はるるの最近読んだ本・過去日記、の一部です。>
↓
人類の道徳的進化★白石 一文と白石 一郎
絵本・セーヌ川の釣り人
パパとムスメの7日間 五十嵐貴久
酒見賢一『墨攻』が映画化
ちいさな王子さま★ サン・テクジュペリ
ほわほわと切ない『センセイの鞄』川上弘美☆
87分署シリーズ~エド・マクベインの訃報。
「柳橋物語」山本周五郎
「ムーミン谷の仲間たち」トーベ・ヤンソン
「にぎやかな天地」宮本輝
なんとなくな日々★川上弘美のエッセイ集
石田衣良「反自殺クラブ」ほか。
とんでもない本!角田光代「酔って言いたい夜もある」
いまそこにある楽園~垣根涼介「真夏の島に咲く花は」
少女のようなオトナ(よしもとばなな「なんくるない」より)
オスの負け犬☆酒井順子
西原理恵子【晴れた日は学校をやすんで】
唯川恵 「一日の終わりに思うあなたのこと」
かなり読書好き!鈴香容疑者&マリリン・モンロー生誕80年記念本!
中島らも絶筆「酒気帯び車椅子」ほか★ぼくが最近読んだ34冊
打海文三「覇者と覇者」
コンプレックスと自惚れは、生きるために女性がまとった鎧だ、けれどそれは壊れやすい。
(ちょっと前に読んだ「淫らな罰」 岩井志麻子著の短編集より)
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