☆ダイイング・アイ ー 東野圭吾
・光文社
・2007.11.25 第1刷
・小説宝石、1998.2月号〜1999.1月号 初出
雨の降る夜、一台のベンツが自転車に乗っていた岸中美菜枝を後ろから跳ね、更に事故を避けきれなかった対向車が側壁にぶつかり、塀と車にはさまれた彼女を押し潰した。
死にゆく美菜枝の目は、彼女の体を押し潰した車を運転している人間の顔に、真っ直ぐ向けられていた。
「許さない、恨み抜いてやる、たとえ肉体が滅びてもーー」
憎しみの最後の炎を燃やし、美菜枝は相手を睨み続けた。
・・・・・・(一部、文中より抜粋)
ベンツに乗っていた、バー、シリウスの経営者、江島と従業員の雨村慎介。
フェラーリに乗っていた、帝都建設社長令嬢の上原ミドリと彼女の婚約者、木内。
「美菜枝の目」に取り憑かれたミドリ・・・。
ベンツを運転していて死亡事故を起こした筈の慎介は、なぜか交通事故の記憶だけがすっぽり抜け落ちていた。
事件から一年たち、慎介の周囲で不可解な事が起こり始めた・・・・・。