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地球人スピリット・ジャーナル1.0

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2009年4月1日

地球人スピリット
・ジャーナル2.0


へ引越しました。

2009.01.10
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カテゴリ:mandala-integral

「魂の危機を超えて」自己発見と癒しの道
スタニスラフ・グロフ /クリスティーナ・グロフ 1997/03 春秋社 単行本 442p
Vol.2 No.507  ★★★★★

 もし当ブログが、現代の代表的職業

1)グローバル社会に対応する創造的なプログラマー
2)マルチな表現を理解する瞑想的なジャーナリスト
3)転生輪廻を自らの体験として理解する精神的なカウンセラー

と捉え、1)、2)はともかく、もっとも共感し得る象徴的存在として3)を考えるとするなら、このグロフの本こそは、まさにその手がかりとなる一冊と言える。翻訳者もさまざまあるが、安藤治という現役の医師の立場からトランスパーソナル心理学を支えてきた研究者が訳しているというところに、さらにリアリティを感じる。

 この本の日本語訳は1997年だが、原書の英語版は1990年にでているので、少し情報の古いところは気になるが、割合最近出版されている「スピリチュアル臨床心理学」などでも、グロフの仕事は大きく評価されているので、この本はこのまま現代の書として読んでもかまわないものと思う。

 グロフと言えば一部の薬物と過呼吸療法の権威ということになっており、そこが彼の持ち味でありながら、またそここそが彼のアキレス腱になってもいる。セラピー全般や、あるいは人間存在そのものに言及する時、グロフの一連の生き方が両刃の刃となって、立ちふさがる。

 当グログにおいては、1960年代の初期より精神療法の発達に大きな貢献をしたエサレンの歴史の一部を書いた「エスリンとアメリカの覚醒」を読みこみ中だが、いかんせん、あまりに伏線の多い本だけに、最終的には、どこかで放棄せざるを得ないだろう。

 エサレンの中から、代表的な流れをつまみだそうとすると、アラン・ワッツとこのスタニスラフ・グロフということになるだろうが、ワッツもようやくフォローしたところだが、グロフについては、いつのことになるかわからない。少なくとも、このカテゴリ内では出来そうにないので、次の「21th category」での継続作業ということになろうか。

 このカテゴリも紆余曲折を経ながら、現在は、玉川本の章建ての一つを借りて、「瞑想による自己超越の世界を説く」と仮称しているが、本来の名前は「Integral」である。グロフには、60年代以降のサイコセラピーを統合し、自己超越の瞑想の世界へつなげてほしい、という期待は募る。だが、その仕事の一筋縄ならざることを考えると、ひとりグロフばかりに期待することはできない。

 われわれが「トランスパーソナル心理学」と呼んだこの新しい動きは、多くの人々の熱狂的な支持を受けました。そうした人々の数が増えていくにつれて、私ははじめて専門家としてのアイデンティティと帰属感を感じました。しかし、そこにはまだひとつの問題が残されていました。トランスパーソナル心理学それ自身はまとまりをもった範囲の広い包括的な学問分野ですが、科学の主流とは絶望的にかけ離れているように見えたのです。p55

 この動きがスタートした時点においても、この本が書かれた時点においても、また、現在のすでに21世紀が10年近くたとうとする段階においても、かならずしも、人間社会の主流としてトランスパーソナル心理学は浮上していない。そしてまた、戦争の危機や経済の混乱、引いては自然界との軋轢など、人間界として、いずれは解決しなければならない問題は、いまだにほとんど手つかずに残されているような状態だ。

 さまざまな解決策はあるだろうが、実効的に解決し得る動きは、今どの辺にあるのだろうか。いやいや、人任せではなく、自分自身の暮らしの中に、そのような問題解決への糸口へと進んでいく突破口を見つけているだろうか。逡巡はするが、やはり、新しき人間像を追い続けている心理学の動きの匂いを嗅ぎ取り、その流れにいようとすることが、せめての一人分のラスト・ソリューションだ。

 言葉に言い表すということが困難であるということも、神秘的状態の大きな特徴である。こうした体験の性質、その深い意味、その重要性などを他者に、とりわけそれらを一度も体験したことのない人たちに説明するのは事実上ほとんど不可能である。その状態を人に伝えるのに言葉がまったく無力であるという嘆きが、神秘的状態を報告するほとんどすべてのものにみられる。この種の体験をした人々はしばしば、詩の言葉が----これも不完全ではあるが----そうした状態を言い表すための最上の手段であることに至る。東洋ではウマル・ハイヤーム、カビール、ミーラーバーイ、カーリル・ジブランなど、また西洋の伝統では、ビンゲンのヒルデガルト、ウィリアム・ブレイク、ライナー・マリア・リルケなどのような偉大な超越的詩人たちの不滅の詩の数々が、この事実を証明している。p135

 語りえないものを語るという作業を続ける必要もあるだろうが、語りえないものは語る必要はないというウィトゲンシュタインの悟りといい、人類がなにかあたらしいきっかけをつかもうとしていることは間違いない。

 20世紀のチャネリング・ソースのなかでも重要なものの一つは、自らを「チベット人」と呼んだ存在である。アリス・ベイリーもブラバッキー夫人も、自分たちの霊的著作の情報源がその存在だと認めている。イタリアの精神科医ロベルト・アサジョーリは、同じ存在がサイコシンセシスと呼ばれる彼の心理学体系の真の著者であるとしている。
 C・G・ユングは、その生涯で数多くのトランスパーソナルな体験をした。その中でも傑出しているのは、彼の有名な「死者への7つの語らい」をチャネルした劇的なエピソードである。ユングはまた、フィレモンという霊的ガイドとの強烈な体験をもち、その肖像画を描き残している。この存在との体験によって彼は、心のさまざまな側面が完全な自律的機能をもっていることを確信したのである。
 p164

 既知、未知、不可知、という意識の境界において、既知たる科学の領域はますます広がり、未知なる世界への開拓をつづけていることは間違いないが、その人間界の努力などはゼロに近くなるほど、不可知の領域の広さは計りしれない。

 スピリチュアル・エマージェンシーの渦中にいる人に関わる人々にとって是非とも必要なのは、心からの気遣い、配慮、愛情である。もしそれがなければ、援助は容易に操作的なものやコントロール・ゲームになってしまい、プロセスを妨げ、その渦中にいる人を傷つけてしまう可能性がある。変容の危機にある人の援助に、常に熟練した専門家が必要とされるわけではない。特にプロセスが比較的穏やかな場合、心構えができた家族や友人たちは自分の愛する人の変容プロセスになんとか対処しようとするだろう。理想的には、ヘルパーは書物やカウンセリングを通じて、プロセスのダイナミックス、そしてその肯定的可能性や治癒的特性についてある程度の知識をもっていたほうがよい。時には、なんの正規の知識もない、直観的な人が助けとなることもあるが、そうしたやり方はあくまでも次善の策である。 p328

 ヘルパーを自称する人たち----ダイナミックそのもののプロセスのファシリテーターないし助産婦として働くことにあまり乗り気でない家族や友人----に関して、2、3言っておきたいことがある。本当に付き添いたいと思っている人と、ふさわしくない人を見分けるよい方法は、その人の動機を考えてみることである。すでに述べたように、専門家であれ、友人であれ、家族であれ、関わりを持つ人々は、スピリチュアル・エマージェンシーにある人を心から気遣い、プロセスの癒しの力を信じ、手助けしたいという気持ちからその場に臨むべきである。もし、好奇心や、支配したいとか目立ちたいという要求から、あるいは自分が必要とされることへの憧れからそばにいるとしたら、おそらくそうした人がいることは障害になるし、煩わしいものになるだろう。 p350

 逆算してみると、つまりヘルパーと言われる存在になるには、まさに菩薩道の目ざめが必要になる、ということである。そして、それこそが人間としての可能性の唯一の道なのである。






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Last updated  2009.01.10 15:28:23
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