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活き活きPC&園芸三昧

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March 29, 2024
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カテゴリ:天文
 1.初めてのモノクロカメラでの撮影 

  天体撮影で重要なことは、カメラが高感度であることであることは言うまでもありません。高感度を追求するために、F値の小さなレンズや鏡筒を追い求める道もありますが、カメラを高感度にする方策もあります。

  これまで、撮影用CMOSカメラはカラーしか使ったことがありません。カラーCMOSカメラは撮像素子の上にRGGBのフィルターで覆われており、それぞれのカラー感度は1/4~1/2になっています。それをモノクロにしてフィルターを外してしまうと理論上は2~4倍に感度が上昇することになります。ということで、ASi294MM Proを仲間に入れました。

  予備撮影としてRGBの各フィルターを付けて撮影しましたが、モニターが真っ白になったりして、カラーとは勝手が異なる世界を体験しましました。勉強としてHaとOiiiを組み合わせる、HOO合成(日本ではAOOが使われることが多いですが、国際的にはHOOなので、これを使います)を実行してみました。


  ナローバンドフィルターとモノクロCMOSカメラでのトールのカブト星雲の撮影からHOO合成の画像処理までを、下の動画にまとめてあります。



              初めてのHOO撮影と画像処理動画【写真クリックで動画へ】




 2.HaとOiiiフィルターでの撮影からHOO合成画像処理まで 


  ナローバンドフィルターHaとOiiiで撮影し、各12コマをWBPPにてスタックした画面です。

 
                         WBPP処理したHaとOiii画像







  StarAlignmentを実行し、それぞれをバックグラウンド処理、ストレッチを行った画面が下の写真です。


 
                ストレッチ処理後のHaとOiii画像



  ChennelCombinationでHOO合成を行った画面が下の画面です。
 

 
                ChannelCombinationによるHOO合成画面



  HOO合成処理の際、BlurXterminatorを使ってみましたが、この処理を実行すると微恒星が鋭い恒星像となり、好みではありません。この難点を避けるためにBXT処理前にStar Reduction処理をすることにしました。




 3.星を小さくするStar Reductionから最終画像へ 

  幸い、丹羽氏のブログにEZ Star Reductionというスクリプトが紹介されていましたので、早速インストールをトライしました。ところが EZ Star Reduction のサイトに行ってみると、もう配布は中止されていました。

  仕方がないので、ウエブをさまよっていると、Star Reduction と称するスクリプトが見つかりました。原理は EZ Star Reduction とは異なり、PixelMath を駆使したアプリのようです。このスクリプトの良いところは、星の大きさをある程度コントロールできるところです。


  Star reduction スクリプトのリポジトリー登録用URL
     https://www.cosmicphotons.com/pi-scripts/starreduction/

  下の画面が、このStar Reductionを実行中の画面です。左側にはパラメータを調節するところがあります。


                  StarReduction処理中の画面



  下の写真が Star Reduction 処理前の画像です。


                         Star Reduction処理前の画像



  次が Star Reduction 処理後の画像。


                 StarReduction処理後の画像



  次にBXT処理を行ったのち、Topaz DeNoise AI でデノイズ処理を行いました。




                  BXT 処理、Topaz DeNoise AI 処理後の画像




 4.HOO処理最終画像 

  星雲を少々明るくしての最終画像が下の写真です。

                     HOO合成したトールのカブト星雲最終画像

  撮影日:2024/1/9。撮影地:南関東、自宅庭。鏡筒:TSA-120 ( f=900mm)。マウント:ZWO AM5。カメラ:ASi294MM Pro (Gain: 250、冷却:-10℃)。ガイド鏡:EVOGuide 50ED(f=240mm)。ガイドカメラ:ASi120MM Mini。オートガイド、ライブスタック共にASiair Plus。フィルター:2インチ Optolong Ha(7nm)、ZWO Oiii(7nm)。300秒露光で各12フレーム撮影。画像処理:PixInsightで処理(WBPP, SA, ABE, HT, CCにてカラー化、StarReduction, BXT)。最後にTopaz DeNoiseAIでデノイズ
 





 5.あとがき 

・モノクロCMOSカメラは、300秒露光で余裕の明るい画像を提供してくれた。フィルターワークが少々煩雑ではあるが、高感度撮影の新たなツールが得られた。

・今後、HOOとRGB画像との合成や、RGBへのHaの注入などのスキルを上げてゆきたいと思っています。





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Last updated  March 29, 2024 08:10:36 PM
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