カテゴリ:ラテン(ロック&ポップス)
洗練された地中海ポップスの好盤 プレスントス・インプリカドス(Presuntos Implicados)は、1980年代初めにスペイン南部のムルシアで誕生したポップ・グループ。当初は11人編成でファンク志向だったらしいが、80年代後半から洗練されたポップ感覚で人気に火がつき、3人組として活動を続けてきた。ながらくグループの顔であったボーカリストのソーレ・ヒメネス(Sole Gim?nez)が2006年に脱退したが、ソロ歌手として既に活躍していたリディア・ロドリゲス(Lydia Rodr?guez)を新メンバーに加えて今も活動をしている。 本盤『セール・デ・アグア(Ser de agua)』はプレスントス・インプリカドスが1991年に発表したメジャー第2作。前作『ブルースの心(Alma de Blues)』(1989年)がスペインでは既にプラチナ・ディスクに輝いており、本作も約束されたヒットだったと言える。発売1カ月で10万枚を売り上げ、スペイン国内では最終的にプラチナ×4の売り上げとなった。しかし、何よりも『セール・デ・アグア』の成功はインターナショナルなセールスにあった。アメリカ大陸のスペイン語圏(中南米諸国)、英国、そして日本が海外セールスの中心だったという。 かくいう筆者も1992年、ラジオで2.「バルバラ・デル・カンポ」を聴いて初めてこの人たちのことを知り、このアルバムを買いに走った記憶がある。同年は、バルセロナ五輪、セビリア万博、コロンブス500周年など“スペイン・イヤー”であった。兼ねてからのワールドミュージックの本邦紹介の流れもあり、スペインのポップ・ロックなどの音楽も紹介される機会が結構多かった。バルセロナ・オリンピックなんて最近じゃないか…と思う人もいるかもしれないが、それは大人の意見だろう。“おぎゃ~”と生まれた赤ん坊が社会人になったり大学生になったりしているだけの年月なのだから、19年というのは“ひと昔”どころじゃない。でも個人的には、プレスントスの音楽との出会いは、やっぱりついこの間のように思ってしまうけれど。 さて、アルバムの内容は、なによりもプレスントスの特徴である“洗練されたポップ感覚”が満載である。前作(『ブルースの心』)と比べると格段の進歩が伺える。この洗練度は、後のアルバムでもさらに増していくとはいえ、本作時点で既に完成された域に達している。筆者の特にお気に入りは、2.「バルバラ・デル・カンポ」、13.「コモ・エモス・カンビアード」(ライブ録音バージョンも1.として収録)で、洒落た優雅なポップを聴かせてくれる。他には、アップテンポの4.「センティール・カロール」、陰りを湛えた5.「ミル・マリポサス」、さらには、8.「イカロ」、11.「アル・アタルデセール」、タイトル曲の12.「セール・デ・アグア」あたりもいい。 あえて本アルバムの不満点を挙げるならば、曲配置にもう少し工夫の余地があったかもしれないような気がするが、各曲のレベルが高いので、難点というほどのものでもないだろう。上で述べた“洗練されたポップ感覚”を集中しながら聴くのもよし、“お洒落なラテン・ポップ”としてBGMに聞き流すのもよしの、魅力的なアルバムに仕上がっている。 [収録曲] 1. Como hemos cambiado -versi?n en vivo- 2. B?rbara del campo 3. Recibes cartas 4. Sentir su calor 5. Mil mariposas 6. Llovi? 7. De puntillas 8. ?caro 9. Cuando quiero sol 10. Andas junto a m? 11. Al atardecer 12. Ser de agua 13. Como hemos cambiado -versi?n para CD- 1991年リリース。 下記ランキング(3サイト)に参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011年03月03日 06時52分37秒
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