久間氏のおそまつ放言に関連して、漫画家の江川達也氏は９日の東京新聞「本音のコラム」で次のように述べています；

　長崎出身の初代防衛大臣が「原爆落とされたのはしかたない」などと、原爆を投下されて結果的によかったなどという意味合いの発言をし、笑いながら辞任した。大臣どころか議員も辞めるべきなのに、いまだに辞める気配もない。

　戦争を終わらせたのは原爆でも旧ソ連の参戦でもない。昭和天皇が連合軍が突きつけた無条件降伏を決意し海軍の一部が動き、徹底抗戦を主張する陸軍の一部を出し抜いて終戦にもっていった。

　原爆が落とされようが、ソ連が参戦しようが、本土で戦い続けることを主張した軍人は多数いる。米軍が上陸して本土でゲリラ戦となったとき、原子爆弾など何の効果もない。硫黄島どころでなく、米兵の犠牲者も多数にのぼったであろう。人口集中した近代都市に投下するには効果があるが、山岳に分散し、地下を要塞（ようさい）化した反抗勢力に対しては効果が薄いのが核兵器である。

　しかも、今や多数の国が核を持っているが、使用したら最後、共倒れになる使えない兵器なのだ。核兵器は馬鹿（ばか）兵器なのだ。戦前、天才参謀、石原莞爾は人類を滅亡させる巨大な爆弾が出現し、戦争は地上から消滅するということを「最終戦争論」で予言した。戦争中は、軍事力をすべて放棄して経済力に傾注すべきだと言い続けた。世界の人から尊敬される徳を日本人が持てるよう努力すべきだと説き続けた。現在の日本の政治家に仁徳はない。（漫画家）

２００７年７月９日　東京新聞朝刊　１１版　２１ページ「本音のコラム－核武装馬鹿」から引用

　江川氏が指摘するように、現代の政治家は志が低いと思います。「従軍慰安婦」問題なども、広義だの狭義だのという話を持ち出して問題を矮小化しようとする人物を党の総裁にするような政党ではだめです。折りしも、民主党の小沢代表は、野党が過半数にならないなら政治家を辞めると言っていますが、もし小沢氏が引退するようなことになれば、わが国政界にとって損失も大きいので、今月の選挙では、今まで自民党に投票してきた人たちも野党に投票したほうがいいと思います。