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2011年09月11日
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カテゴリ:教育問題
 政治家として露骨に教育に介入することを企てる橋下徹大阪府知事を、明治大学教授の西川伸一(にしかわしんいち)氏は、8月26日の「週刊金曜日」コラムで、次のように批判している;


「今の日本の政治で一番重要なのは独裁。独裁と言われるぐらいの力だ」

 大阪府の橋下徹知事は、6月29日夜、大阪市内のホテルで開かれた自らの政治資金パーティーの席上、約1500人の出席者を前にこう気炎を上げた。6月3日には、公立校の教職員に君が代の起立斉唱を義務づける全国初の条例が大阪府議会で成立した。これは橋下知事が代表を務める大阪維新の会府議団が提出したものである。

 しかし知事にとって、君が代条例成立は本丸を落とすための一歩にすぎなかった。その本丸とは教育委員会制度である。各自治体には首長から独立した合議制の行政委員会として、教育委員会が置かれている。この制度は特定の党派的影響力から教育の中立性を確保し、首長の一存によって教育が左右されるのを防ぐ役割を担う。

 これに対して知事は、5月18日の記者会見で「今の教育委員会制度では教員に対する責任の所在、教育に対する責任の所在が全く分からない」と批判している。さらに「何か問題提起するネタはないかということで、この君が代問題は念頭にあった」と述べた。4月の府立高校入学式では、2人の教員が職務命令に従わず起立斉唱しなかった。これが格好の「ネタ」になって、条例制定へと事態は急展開する。不起立教員の存在は、教育委員会が現場をマネジメントできていない象徴とされた。

 条例成立から教育委員会制度の骨抜きに至るのは当然の成り行きだった。知事は8月17日に、維新の会が「教育基本条例案」を9月府議会などに提出することを正式表明したのである。君が代条例同様、知事提案ではなく維新の会の議員提案としたのは、独裁批判をかわすカムフラージュだろう。

 条例案によれば、知事は教育委員会とともに学校が実現すべき目標を設定し、教育委員がその実現努力を怠った場合は、議会の同意を得て罷免できる。全員公募される校長には「年俸制」を導入し、教科書採択権や教員採用権をもたせる。また、すでに条例化された君が代の起立斉唱に従わないなど職務命令に3回違反した教職員は寵免できる。「愛国心」教育も明記された。

 橋下知事や維新の会の幹部はしきりに「府民」「民意」「政治主導」を強調する。

「起立しないのは府民への挑戦」「教育では中立性が強調され、民意が反映されていない」「教育委員会に全部任せるんじゃなく、民意を受けた議会でしっかりオーソライズしましょう」「(選挙で選ばれた)知事と教育委員会が、ともにビジョンをつくっていくべきだ。(条例が成立すれば)政治が教育の目標をつくることになる」

 これらの「府民」「民意」「政冶」を「知事」に置き換えれば、彼の意図は明瞭になろう。「民意」に名を借りた「御意」に召さない「治外法権」の行政領域を、浪速のヒトラーは潰しにかかっているのだ。

 知事はこの条例案と同時に提出する予定の「職員基本条例案」を、2月の知事・大阪市長のダブル選の争点とする意向である。ここで「民意」の支持を得て、来春までにはこれらを可決・成立させることを目指すという。

 橋下流皇民化教育でも行なうつもりなのか。大阪府民は独裁を肯定する知事のかけた麻酔からそろそろ醒めるべきだ。


2011年8月26日 「週刊金曜日」860号 12ページ「西川伸一の政治時評-『政治で一番重要なのは独裁』なんて言う知事の麻酔から醒めませんか、府民の皆さん」から引用

 戦前は児童生徒が使用する教科書は国が定めるもので、教育内容は国家権力がオーソライズしたものでなければならなかった。そのような教育によって、多くの日本人は中国や朝鮮を蔑視し、日本は神の国だと信じ込まされ、侵略戦争にも疑問を持たずに動員されていった。そのような歴史を反省し、戦後は、教育は行政から独立したものであるとする教育基本法が制定され、そこには「教育は国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきもの」と明記されてものであった。その精神は今も変わることはない。
 ところが、教育の素人である橋下知事は、先生たちの給料が府民の税金から支払われており、その府政の長が自分だから、先生たちは自分の言うことを聞くべきであると考えているのではないか。「起立しないのは府民への挑戦」などともっともらしいセリフを吐くが、起立しない先生も府民の一人であり、そういう先生を理解しサポートする府民もまた少なからず存在することも、知事としては理解しなければならないはずだ。そういう世の中の仕組みを理解せず、自分の価値判断だけをごり押しして教育に介入する態度は、戦後民主主義に対する重大な破壊活動だ。こういう者は、次の選挙で落選させるしかない。








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最終更新日  2011年09月11日 20時06分40秒


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