杉並区では、脱原発デモの参加者に飲食店が割引サービスを行う試みが実施されたと、5月18日の東京新聞が報道している;
デモの参加者はビールを半額ー。飲食店などによるこんな試みが、東京都杉並区周辺で始まっている。名付けて「デモ割」。大勢が集まることで「騒がしい」と迷惑がられることもあるデモだが、経済効果としてとらえようと、デモと地元を愛する女性たちが、店に協力を呼び掛けて実現した。 (早川由紀美)
★20店舗が参加
主催者発表で延べ4千人が参加した5月6日の「脱原発杉並デモ」。高円寺、阿佐谷などの20店がデモ割に参加した。飲食店では、「デモをした」と言う客に割引やお通し無料などの特典を用意した。ほかにコーヒー豆販売店、マッサージ店なども加わった。
脱原発杉並は、インターネット上のツイッターなどでの呼び掛けに応じた人たちの集まり。準備の段階から誰でも参加でき、5月のデモは2月に続いて2度目。デモ割も、ツイッター上での会話などから生まれた。
「地域で歓迎されるデモにしたかった」。脱原発杉並のデモ割担当の会社員中村みずきさん(35)は話す。震災前にも反戦デモなどに参加したが「沿道の人に受け入れられてない」と感じていた。一緒にデモ割を担当する著述業石原由美子さんは震災前、原発に関心はなかった。ツイッターで放射能などの情報を集める中で、デモにも参加するように。
2人とも区内に住み、地元への思い入れは強い。中村さんは「デモを応援してくれる店と参加者をつなげることは、お金の流れを自分たちの手に取り戻すことにもつながる」と気付いたという。
★祭りみたいに
音楽を流しながらの今どきのデモに「迷惑に感じている住民もいるはず」(杉並区の男性)という批判の声も、本紙発言欄には寄せられている。2人はデモ割のような試みを通じ「お祭りのときのように、店がデモに合わせて屋台を出してくれるような関係になれれば」と願っている。
デモ割でビールを半額にした高円寺のカフェ「ぽれやぁれ」店主の安彦隆さん(61)は学生運動世代。「ぼくらの時は打倒、反対ばかり。今のデモは何かをつくっていこうとしていて励まされる」と話す。
次のデモの予定は決まっていないが、参加店の中にはワイン一杯無料の有効期限を「廃炉まで」としているところもある。
2012年5月18日 東京新聞朝刊 12版 1ページ「脱原発をアピール、商店街に経済効果」から引用
脱原発を目指して行動を起こせる人と、自らは行動できないまでも応援したいという人もいるし、それぞれの立場からそれなりのサポートをして、幅広い脱原発のうねりを作り上げていきたいものでございます。