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やっぱり読書  おいのこぶみ

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2022年05月31日
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カテゴリ:名作の散歩道
『罪と罰 1』ドストエフスキー

第一部あらすじ​


7月の太陽が照りつけるペテルブルグの街中を、元大学生ラスコーリニコフは歩いている。
彼は殺人計画を立てていて、そのターゲット金貸し老女アリョーナの居室を下見の目的で訪れるのである。はたして実行できるのか、神経質にびくびくしている様子が描かれる。
いよいよ金貸しアリョーナの部屋に着き、古い銀時計を質草に金を借り、また訪れると予告して去る。

幾ばくかのお金を手にして居酒屋に寄るラスコーリニコフ。そこで、マルメラードフという飲んだくれの元役人に出合い、酔いに任せたおしゃべりで彼の家庭事情を聴かされる。再婚した妻の病気、子沢山、そして前妻との実娘ソフィアの稼ぎ(売春)に頼る生活。
ラスコーリニコフは酔っぱらったマルメラードフをそのアパートまで送り、貧困にあえぐとても悲惨な生活状況をつぶさに見る。

自分の下宿に帰ったラスコーリニコフは母からの手紙を読む。仕送りが途絶えた事情、妹ドゥーニャの家庭教師先での災難、ルージンという男との婚約を知る。しかし、その婚約は母や妹の貧困脱出の打算が見え、暗澹となる彼。

ラスコーリニコフは、自身の非力、むなしさに悲嘆・無気力で自堕落になっている様子、そして金貸し老婆を殺さなくてはいけない、という極端な思想に走る狂気的状態が描かれる。

いよいよ、息詰まる殺人実行の描写で、第一部は終わる

わたしの感想
ラスコーリニコフが殺人を実行するまでにどうして至ってしまうのか?あまりにも唐突で、ちょっと理解できなかった。ストリーが進むにしたがってわかるのだろうか。
それはむしろ、酒場で知り合ったマルメラードフという飲んだくれの独白。どうしようもない哀れな自虐話の内容。母親からの手紙の内容のおぞましさ悲惨さ。母・妹が彼に期待し犠牲に走る心理。それを知り怒り不甲斐なく思うラスコーリニコフ、そんな別物語が潜んでいるのを感じるのは、読む視点が変わったのだ。



第二部あらすじ


夢中で下宿に帰って死んだように眠っても興奮冷めやらないラスコーリニコフ。そこへ突然の警察からの呼び出し状にぎくりとする。

ドキドキしながら警察を訪れ、別件「不払い下宿代の催促だったとだった」と知る。警察の事務官ザメートフにラスコーリニコフが「自身が父親の早世による貧困で大学をやめざるを得なかった事情、下宿屋の娘との婚約、死別したために借金になってしまった」事情を語り、書類にサインするも、警察では「金貸し老婆殺人の話題」が飛び交っていて、精神が持たず失神してしまう様子。そこから彼の罰が始まる。

下宿で寝込み、友人ラズミーヒンや医師のゾシーモフたちが親身に介護するも、抜け出してアリョーナのところから盗んだものを隠したりする。妹の婚約者ルージンが下宿に来れば喧嘩したり、警察事務官ザメートフと危険な会話をしたり、街をさまよい懊悩する。

そのさなか、マルメラードフの事故死に遭遇、母から送金されたなけなしの25ルーブルをマルメラードフの残された家族にあげてしまう。

下宿に戻ると田舎から出て来た母と妹ドゥーニャが待っていた。

わたしの感想​​
​​あらすじを忘れていたからなのか、ジェットコースターのように変化にとんだ展開に驚く。さすが犯罪ミステリー小説の古典だ。それから、スラブ人のというか、ロシア人の極端な性格、熱するかと思いきや、氷のように冷める上がったり下がったりの行動の満載に圧倒される。『カラマーゾフの兄弟』もそうだったが、ドストエフスキーの骨頂だ。








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最終更新日  2022年05月31日 13時54分30秒
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