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2005.07.03
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テーマ:戦争反対(1190)
第67回「バカの壁・再」55(その2)
~中国『遺棄』化学兵器問題考~


と言うことでその1から続きです。

さて、内閣府遺棄化学兵器処理担当室には「発掘済及び未発掘の遺棄化学兵器の分布状況」(PDF文書)と言う資料があります。

これを見て貰えば分かると思いますが現在中国において発掘・回収されている殆どが「あか剤」と「きい剤」と極少数の「あおしろ剤」ですね。
また「有毒発煙筒等」と言うのが果たして「しろ剤」なのかという問題もありますが、概ね「あか剤」と「きい剤」と見て間違いないでしょう。

「あか剤」だの「きい剤」だの「あおしろ剤」だの「しろ剤」では何のことか分からないのでまとめると

分類(旧日本軍における名称)
 制式名称 制式年次 化学剤の名称(USコード)

糜爛剤(きい剤)
 きい1号甲 1936 マスタード・独法
 きい1号乙 1936 マスタード・仏法
 きい1号丙 1937 マスタード・不凍性
 きい2号  1933 ルイサイト(L)

嘔吐(くしゃみ)剤(あか剤)
 あか1号 1933 ジフェニルシアノアルシン(DC)
           ジフェニルクロロアルシン(DA)

催涙剤(みどり剤)
 みどり1号 1929 クロロアセトフェノン(CN)

窒息剤(あお剤)
 あお1号 1929 ホスゲン(CG)

血液剤(ちゃ剤)
 ちゃ1号 1938 シアン化水素(AC)

発煙剤(しろ剤)
 しろ1号 1929 三塩化砒素

こうなります。
一般的な致死性としては
窒息剤≒血液剤>>>>糜爛剤>>>嘔吐剤>催涙剤≒発煙剤
と言う感じになるかと思います。

日本軍が大陸で使ったとされる「あか剤」と「きい剤」について少し解説しておきます。
「あか剤」と呼ばれる「嘔吐(くしゃみ)剤」については読んで字の如く、吸引すると鼻や喉の粘膜を激しく刺激してくしゃみや嘔吐などの症状が出る化学剤で致死性は非常に低く催涙剤などと暴徒鎮圧に使用される。
場合によっては死に至る場合もあるが、概ね「非致死性化学剤」と分類されることが多い。

「きい剤」と呼ばれる「糜爛剤」は皮膚・目・呼吸器に作用し皮膚に付着すると激しい炎症と糜爛を引き起こし激しい痛みと傷跡を残す。
気管から吸引すると呼吸器系が糜爛し死亡することもあり殺傷力はあるが致死率は低く、殺傷目的より戦闘能力を削ぐ目的で使われる。
1917年7月12日ドイツ軍がイープル戦線でカナダ軍に対して実戦で初めて使用した際にも約3500人の中毒者のうち死亡したのは89人であり、第一次世界大戦中の化学兵器による死者の約80%はホスゲンによるものだったとされている事からも分かる。

硫黄マスタードにはHD(蒸留マスタード)とH(精製されていないもの)があり、窒素マスタードには、HN-1、HN-2、HN-3がある。
マスタード類の中ではHDとHN-3がびらん剤として最も知られている。

純粋なマスタードガスは常温で無色・無臭であり粘着性の液体であるが、初期の頃は生成段階で不純物を含むマスタードガスも多くこれらはからし・ニンニクやわさびに似ている臭気を持つ事から「マスタードガス」と呼ばれる。
また、イペリット(Yperite)とも呼ばれるがこれは第一次世界大戦のイープル戦線で初めて使われた事に由来している。

ちなみに「きい剤」のうちルイサイトは生産コストの点でマスタードに劣るのを理由に糜爛剤の重点は専らマスタードに置かれたそうです。

閑話休題

と言うことでいつもの如く話は逸れましたが、諄いほど前述したように日本軍が武装解除された時点で日本側の所有権・管理権は及ばなくなり、所有権・管理権は接収した連合国側に移ります。
「化学兵器禁止条約」に照らし合わせると

>第2条 定義及び基準
>この条約の適用上

>5.「老朽化した化学兵器」とは,次のものをいう。
>(a)1925年より前に生産された化学兵器
>(b)1925年から1946年までの間に生産された化学兵器であって,化学兵器として使用することができなくなるまでに劣化したもの

>6.「遺棄化学兵器」とは,
>1925年1月1日以降にいずれかの国が他の国の領域内に当該他の国の同意を得ることなく遺棄した化学兵器(老朽化した化学兵器を含む。)をいう。

(化学兵器禁止条約より)

「遺棄化学兵器」ではなく「老朽化した化学兵器」に該当します。

と言うことは処分する義務があるのは中共政府ですが「旧日本軍の毒ガスで中国人民が犠牲に!」とかいう焦点を徹底的にぼやかしたバカ話になったときに登場するのがあの男です。

そう、当時外相であった「紅之傭兵」こと河野洋平と当時の首相であった村山富一売国コンビでした。
このアホ共は「毒ガスに国境はない、どこの国のものでも日本が責任を持って処理する」と売国奴丸出しの声明を出したせいで訳も分からぬままに日本が処理する事になってしまいました。

日本軍は連合国によって完全に武装解除され、全ての武器弾薬等を引き渡し管理・所有権を放棄したと言う事も忘れ、誰によって遺棄されたのか、日本製なのか外国製なのか、遺棄された化学兵器の数がどれだけあるのかと言った基本的な事をろくに調べもせずに、売国奴らしい無責任な発言をしてくれたものです。

接収側が50年以上も放置しておいて、ある日突然被害が出たからと言って日本の責任だと言うのはまるでヤクザのごとき言い掛かりと言うものです。


さて、後半です。
中国の遺棄化学兵器について 2005年07月04日 13時51分21秒 (kimdongsungさん)
(前略)
これに対して、いろいろな批判が出ています。
たとえば、日本は戦争に負けて無条件降伏し、武装解除をして、持っていた全ての兵器と施設をソ連軍と中国軍に引き渡しましたのだから、その時点で、所有権と管理は相手に移った、だから日本に責任はない、と考えている人もいます。(民主党の西村議員など)

しかし、日本軍の毒ガス使用は、サダムのクルド人に対する毒ガス使用の量を遥かに超えた、世界史的犯罪です。
もちろん当時も化学兵器禁止の国際条約がありました。父・祖父の行為に対して「自虐的な」反応が起こるのはごく当然、人間的なことです。そして、今、条約の字句解釈によって毒ガス処理の責任回避を図ろうとするのはまさに恥の上塗りに他なりません。


(後略)
■「バカは死んでも治らない」と言いますが、まさしくその生ける標本ですね。

>たとえば、日本は戦争に負けて無条件降伏し、武装解除をして、持っていた全ての兵器と施設をソ連軍と中国軍に引き渡しましたのだから、その時点で、所有権と管理は相手に移った、だから日本に責任はない、と考えている人もいます。(民主党の西村議員など)

>しかし、日本軍の毒ガス使用は、サダムのクルド人に対する毒ガス使用の量を遥かに超えた、世界史的犯罪です。
>もちろん当時も化学兵器禁止の国際条約がありました。父・祖父の行為に対して「自虐的な」反応が起こるのはごく当然、人間的なことです。そして、今、条約の字句解釈によって毒ガス処理の責任回避を図ろうとするのはまさに恥の上塗りに他なりません。


まぁ普通に読めば「管理責任→使用責任」と問題をすり替えているわけですが、余りに稚拙すぎてバレバレです。
仮に彼女の主張が100%正しいと仮定しても、化学兵器を使用した責任と武装解除され管理・所有権が及ばなくなった後の責任は100%別物であり、前者は日中国交正常化の際に中国側が賠償を放棄したのですでに解決済みで、後者については日本軍が遺棄したと証明されたもの以外処理する責任はありません。
で、

>しかし、日本軍の毒ガス使用は、サダムのクルド人に対する毒ガス使用の量を遥かに超えた、世界史的犯罪です。

サダムフセインと比べるのはまぁ悪い手ではありません、サダムフセインの使ったのがイペリット(マスタード)という日本軍で言うところの「きい剤」であり同じに見ようと思えば見れないこともありません。
しかしサダムフセインは自国民であるクルド人に使っている(ハラブジャ事件)という点で悪質ですし、クルド側の主張ではあのヒトラーですら使用を躊躇った神経ガスのサリン・タブン・VXガスを使用している点で、ヒトラーを超える残虐性を持っていると言えるかも知れません。

ちなみにサリンの使用に関しては1991年1月の湾岸戦争で敗北した後、国連の査察団が1992年6月に現場の土壌を採取した結果、サリンが分解した後の発生物質であるメチルホスホン酸とイソプロピルメチルホスホン酸を検出しサリン使用を実証しています。
また、フセインはクルド人に使用するだけではなくイラン・イラク戦争においてもイラク軍がタブンを大規模使用しイラン軍に多大な打撃を与えています。
ちなみにこれが人類史上初の神経ガスの実戦使用です。

それに対して日本軍が使用したのは前述のきい剤であるマスタードもしくはルイサイト、あか剤であるジフェニルシアノアルシン(別名:DC)とジフェニルクロロアルシン(別名:DA)の混合の嘔吐剤にみどり剤であるクロロアセトフェノン(別名:CN)と言う催涙剤です。
まぁマスタードもしくはルイサイトならまだしも致死性の低い嘔吐剤やほぼ非致死性で警察などでも使用されている催涙剤を神経ガスと比べるのはサリンに失礼と言うものですね。

字数の関係でその3へ続く





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Last updated  2005.07.06 01:26:45
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