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カテゴリ:Object作成
架線柱と一口に言ってもその形状は様々であり、
基本ストラクチャのPole1~4.csvはそれらの一つの形状に過ぎません。 地方私鉄ですと一般に構造も簡単で種類も多くありませんが、 都市部ではそう簡単にいきません。 少し実例を見てみましょう。 例1:基本ストラクチャと同タイプ 直線区間では手前と奥を交互に配している (信越本線北高崎-群馬八幡) 例2:新型ビーム これも直線区間では左右タイプを交互配置 (東海道本線三河三谷-蒲郡) 例3:構造の簡単なタイプ 直接吊架式架線なので、通常とは少し形が異なる (銚子電気鉄道線犬吠-外川) 例4:門形タイプ(1) 両サイドが水平なタイプ (飯田線船町-下地) 例5:門形タイプ(2) 両サイドが斜めになっているタイプ (西武多摩湖線武蔵大和-西武遊園地) 例6:基本ストラクチャと同タイプ (東武野田線初石-流山おおたかの森) 例7:ビームが網の目のようなタイプ (小田急江ノ島線藤沢) 例8:ビームが鉄パイプ1本だけのタイプ 旧型タイプの改修時にこのタイプになることが多い模様 (西武池袋線飯能) 例9:き電吊架式架線の架線柱(手前:単線用・奥:複線用) 部品点数削減のため、非常にシンプルな構造 (八高線東飯能) 例10:ワイヤーで架線を吊っているタイプ 路面電車や車庫内でよく見られる (香港電車石塘咀) ……と、まあこんな感じで多種多様です。 それ程細かく作りこむ必要はないように感じますが、架線柱は 制作上では距離を知る目安、運転上は操作の目安にもなりますので、 ある程度は実際にあわせて設置する方がよいでしょう。 なにより基本ストラクチャだけでは寂しいです。 具体的な製作手順です。 (1)コンクリートポールの大きさを知る 意外とこれ、どの作者も調べたことがないのではないでしょうか。 架線柱には「架線柱番号標」というものが付いています。 どの会社のものでも付いていると思いますが、様式は様々です。 上の図は青梅線川井駅にある架線柱番号標です。 「川本8」という架線柱番号のほかに、10NやS58、29K987といった記号もあります。 S58は昭和58年、29K987は距離程の意味のようですが、10Nはわからず、 それを調べてみると、架線柱のポールは第二種ポールという JIS規格で製造されていることが分かりました。 この規格は大日コンクリート工業(株)のサイト(技術資料>ポール技術資料.pdf)から見られます。 http://www.dainichi-x.co.jp/technology/index.html また、一部では先端が細くなる第一種ポールも使用しているようです。 第一種ポールの規格は中国高圧コンクリート工業(株)のサイトより見られます。 http://www.gr.energia.co.jp/kouatsu/hanbai/pole.html ただし現地の架線柱にはこれらのような規格は表記されていないので、 どれくらいの直径のポールが主に使われているかおさえる程度にしか使えません。 また、JIS規格では全長の1/6は地中に埋まります。 西武秩父線では第二種ポールで直径を35cmのものを作ることにします。 (2)コンクリートポールのテクスチャを作る 上の画像からテクスチャを切り出します。 「円柱」と判るような陰影のついた画像を使うのが適切です。 まず、上図明るい部分を切り出し、適当な大きさにリサイズ、 これをGIMPで遠近補正(第15講参照)します。 続いて架線柱番号標を西武使用に変更したり、ビームを削除したりします。 後で縮小するのでペイントでの切り貼りで十分です。 うまくごまかしたら2のn乗に縮小して、 先端に円柱らしく見えさせるための透過色を塗りつぶせば完成です。 最後にJTrimで256色に減色すればメモリの消費が抑えられます。 ↑pole1.bmp 透過色はBVE2までは青が主流でしたが、BVE4への対応を考えると黒の方が後々楽でしょう。 (3)ビームのテクスチャを作る 上の画像からテクスチャを切り出します。 左の2つの枠を別個に切り出します。手順は上と同じです。 ↑pole_s1.bmp ↑pole_c1.bmp 改めてみると少し特徴的なビームです。 ビームも大きさの規定があるにはあるのですが、あまり意味がないので省略します。 (4)架線柱ストラクチャを作る まずは上の例5のような単線架線柱を作ります。 全体の大きさとしては以下のもので問題ないでしょう。 コンクリートポールは円柱ではなく、平板として再現するので、 構文は以下のようにできます(頂点数削減のため)。 これを基にすれば複線用、3線用なども簡単に作れます。 ただしそれだけでは場合によって狭かったり広かったりするので、 2.5線用や3.5線用といった架線柱も用意すれば、 より適切な架線柱を設置することができます。 試しに2.5線用架線柱を作ってみましょう。 計算式は図中の通りです。 これで複線用では足りず3線用では余る箇所に適切な架線柱が設置できます。 このほか、例2・例8タイプの架線柱も沿線に存在するので、製作しておきます。 次回は架線柱を置きます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 25, 2009 11:54:33 AM
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