|
カテゴリ:カテゴリ未分類
私は今までに、二つの国に住んだと思っています。二つの国とは、第2次大戦前の大日本帝国(だいにっぽんていこく)と、戦後の日本国(にほんこく)です。私たちの世代では、同じような思いの方が多いのではないでしょうか。何しろ歴史的には、日本史の近代と現代の二つにまたがって生きているのですから。
尋常小学修身書巻一より 文部省昭和11年版 上の絵は、尋常小学修身書巻一の、最初の見開き2ページ全部にわたって載っていた絵です。修身という教科については、5月11日のブログに書きました。上級生の修身書の最初のページには教育勅語が載っていましたが、1年生はまだ字が読めないので、この絵が載っていました。 この絵は、大日本帝国の姿をよく表わしています。大日本帝国は、絵のとおり、天皇の治める国でした。 民族も言語も同じなのに、政治のあり方や社会制度、人々のものの考え方・・・・・などなど、国の姿が戦前と戦後ではまるで変わってしまっています。 どちらの方が良かったか、それは一概に言えませんね。戦前がすべて悪かったとも思いませんし、現代の方が良いとばかりとも思えません。 以前の大日本帝国憲法の条文のうち、第1章 天皇 の主な箇所を見てみましょう。 第 1 条 大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス 第 3 条 天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス 第 5 条 天皇ハ帝国議会ノ協賛ヲ以テ立法権ヲ行フ 第 7 条 天皇ハ帝国議会ヲ召集シ其ノ開会閉会停会及衆議院ノ解散ヲ命ス 第11条 天皇ハ陸海軍ヲ統帥ス 第13条 天皇ハ戦イヲ宣シ和ヲ講シ及諸般ノ条約ヲ締結ス このとおり、国を治める権限のほとんどが、天皇に集中していました。行政の長となる内閣総理大臣の任命、国会での立法、軍の統帥、外国との交戦など、国の命運を左右する重要なことを、すべて天皇が行なうことになっていたのです。 とくに、軍の統帥権が内閣になく、軍は天皇直属となっていました。陸海軍では、天皇を大元帥陛下と呼んでいました。 これが大日本帝国の国体、つまり、国の姿でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|