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2012.07.26
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カテゴリ:映画/歴史・伝記
20120726

「お願い、(イングランドに)罪を認め、忠誠を誓ってちょうだい。慈悲を与えられるわ」
「スコットランドへの慈悲は?」
「なぶり殺しに遭わず幽閉ですむかも。助かる望みが生まれます・・・死なないで!」

「(イングランドに)忠誠を誓うことは、今あるおれが死ぬことだ」

本作「ブレイブハート」は、アカデミー賞作品賞ほか5部門を受賞した歴史大作である。

脚本はもちろん、映像も音楽も役者陣も、どれを取っても甲乙つけ難い素晴らしい作品なのだ。
この作品がどれだけ史実に基づいたストーリー展開であるかということは、あまり問題ではなく、メガホンを取ったメル・ギブソンの徹底したキリスト教思想が根底に流れているのが興味深い。
メル・ギブソンは、業界でも知らない人はいないほどの敬虔なカトリック教徒である。

そのせいか、主人公ウィリアム・ウォレスが処刑されるシーンは、正にイエス・キリストの受難のシーンにも似て、その残酷極まりない拷問は目を覆いたくなる。
だが、このシーンには重要な意味があるのだ。
ウィリアム・ウォレスがスコットランドを愛するが故に、その身を捧げ、甘んじて処刑を受け入れるという発想は、イエス・キリストが罪深き人々の身代わりとなり、あがないのために十字架に磔となる、いわば生け贄思想を彷彿とさせるのだ。
その証拠に、ウィリアム・ウォレスの死によって、彼の遺志を継いだ者が決起して、スコットランドの自由と平和を勝ち取ったという件になっているからだ。(あくまで「ブレイブハート」の中でのストーリーにおいて)
そこで気付かされる本作のテーマは、非常に過激ではあるが、自由や平和を手に入れるためには多くの血が流されて当然であり、またそれだけの崇高な信念と犠牲がなければ真実の解放はありえない、というものである。
よって、イエス・キリストの死は正当のものであり、本作のウィリアム・ウォレスの死も重大な意味を持つものなのだ、と訴えている。

13世紀末のスコットランドが舞台。
イングランドとの戦争で父と兄を失ったウィリアム・ウォレスは、幼くして叔父の下に預けられる。
成人してから懐かしい故郷に帰り、美しく成長したミューロンと再会し、恋に落ちる。

ある時、イングランド兵にからまれたミューロンをウィリアムが助けたものの、再びミューロンが捕まり、殺害される。
復讐を誓うウィリアムは、スコットランドの自由と平和を掲げ、抵抗軍を立ち上げるのだった。

世界史の好きな方は既に知っておられると思うが、もともとアイルランドとスコットランドはカトリック、イングランドはプロテスタントで、同じキリスト教圏でも派閥が違う。
このことによって、同じ島国でも何度となく互いの信念を通して宗教戦争が繰り返されて来た。
「ブレイブハート」は、メル・ギブソンがキリストの名のもとに“死を恐れることなかれ、信仰は永遠のものなり”と、映画を通して大絶叫しているようにも感じられる。
それほどに揺るぎない神への忠誠と、祖国への愛と、そして孤高な精神を見せ付けられた気がするのだ。
歴史好きの方、必見の一作である。

1995年公開
【監督】メル・ギブソン
【出演】メル・ギブソン、ソフィー・マルソー

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2012.07.26 06:13:49
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