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カテゴリ:映画
アンディ・ラウ 劉德華 Andy Lau 主演
ハーマン・ヤウ 邱禮濤 Herman Yau 監督 『SHOCK WAVE ショック ウェイブ 爆弾処理班 拆彈專家 Shock Wave』(2017年) なかなかアドレナリン分泌を刺激する作り。 チアン・ウー、ソン・ジア、フィリップ・キョン フェリックス・ウォン、ベイビージョン・チョイ共演 (以下、映画の核心に触れる部分もございます) 香港の交通の大動脈を止めかねないトンネルがテロリストに占拠された、 という香港の地形地理と経済を知り尽くして (トンネルが押さえられたことで某社の株価はハンセン指数 INDEX HANGSENG と反比例し吊り上りもする) 香港の金融と交通の二大動脈を支配してしまう 象徴的な場所としてのトンネルが爆弾テロの舞台。 恐らく香港民の胸に迫り来る設定なのでは。 また、トンネルゆえ爆発時の危険性は最大化もされ 派生する問題の影響は計り知れない。 スケール感ある設定の、目の付け所はすばらしかった。 但し、タイ等に潜伏していた犯人を易々と香港に再入国させてしまったことには首を傾げ 犯人の弟が収監されたことで果たしてそこまで多くの人の命を犠牲にしようと考えるだろうか、 銀行強盗のために爆弾作りをしていた犯人の小物感からの飛躍や その極端な復讐心にはあまり説得力が感じられなかった。 また、ヒロインの小学校教師と親しくなる過程の描写が舌足らず、説明不足で 恋人との結びつきがあまり強くは感じられなかった。 大陸的で旧世代・旧タイプの価値観を背負っているリーと 返還前の香港的ラウが対照的だった『寒戦』などは 一見対立する二者を暗示もするのでは、と深読みさせる部分もあったが、 今作は大陸からの「お客さん」に献身的、親切過ぎる香港の観光ガイドが登場もし そういった視線は全く見えず屈託なかった。 製作にテンセント 腾讯 Tencentやシャオミ 小米 Xiaomiも入り 北京語吹き替えで大陸で公開されたからだろうか。 2003年『インファナル・アフェア 無間道 Infernal Affairs』や 『監視者たち 감시자들』として韓国でリメイクされた 『天使の街、野獣の眼 跟蹤 Eye in the Sky』(2007年)には仏教的世界観も通底していた。 しかし、今作で言及される「神」は仏教の神とは異なった響き、価値観に聴こえる (北京語も広東語もわからないので、日本語字幕の範囲で考えているに過ぎないが...)。 イソップの「ネズミの相談 Belling the Cat」が語られ、 危険を冒してネコに鈴をつけるネズミになれたことに神に感謝する といった内容を主人公は口にする。 爆弾処理と猫に鈴をつける鼠はオーヴァーラップし、 危険を伴う爆弾処理班の職業意識が高まりきった 模範的職業人の自己犠牲と強い肯定感が伝わってくるが 一方でジェームズ3世、権威あるものに対して反乱を起こした Bell the Cat氏、ことArchibald Douglas, 5th Earl of Angus も 仄めかされているような感触も。 WSJによれば 香港の民主化運動の底流にはキリスト教的価値観があり、 教会はデモ参加者に食事や宿泊場所を提供もするという。 (韓国の3.1独立運動の頃や民主化運動の頃を思い出す。教会が運動の拠り所にもなっていた。 それは英国のサフラジェットにとっても) それを念頭に入れると 映画の中で言及される「神」はキリスト教の神ではないかと考えられ そんな「神」に何度も言及する登場人物たち 主人公やテロリストの弟は反共産党なのではないかと 穿った観方もしてしまった。 (余談ですが中国リウ・ジエンのアニメーション『Have a Nice Day』には 教会も描きこまれていて、舞台はクリスチャンの多い南部のようだった。 香港とも地理的に近いはず) 一方で、 ジョニー・トー 杜琪峰 Johnnie Toの 『スリ 文雀 Sparrow』では 香港が男で、大陸が女として描かれていたように記憶しているが...(記憶違いはご容赦) 今作でも男は香港人で女は大陸から来た者のよう。 生き残ったのは女だが...深読みし過ぎだろうか。 多様な爆弾が登場する中で 恐らく過去の香港映画では言及されていなかったかもしれない(香港映画はそれほど多く観ていないので) 不発弾の登場が興味深い。 現代的テロとの戦いの一方で、一気に20世紀、大東亜戦争、第二次世界大戦の時代に引き戻され 1941年九龍半島から始まったイギリス軍と旧日本軍の 「香港の戦い Battle of Hong Kong」も想起されるから。 大陸など中華圏で好評だったらしく続編が作られる予定。 でも、主人公は誰が演じるの...?(;_;) 製作にはリネームしたアンディの製作会社 Infinitus Films も入っている。 アンディがプロデューサーを務めて成功したプロジェクトの一つかも。 チアン・ウーは姜文 チアン・ウェン実弟。 人間爆弾の姿は もちろん昨今のテロ組織を想起もするが K-Pop のMVがドラマ・スタイルだったころの SG워너비 느림보もちょっと思い出す。 to be continued...!? buzz KOREA Click... にほんブログ村 韓国映画 にほんブログ村 映画 にほんブログ村 映画評論・レビュー にほんブログ村 韓国情報 にほんブログ村 K-POP にほんブログ村 Copyright 2003-2023 Dalnara, confuoco. All rights reserved. 本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は 著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。 無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、 表現や 情報、意見、 解釈、考察 ロジックや発想(アイデア)・ 視点(着眼点)、写真・画像等も コピー・利用・流用することは禁止します。 剽窃厳禁。 悪質なキュレーション Curation 型剽窃、 つまみ食い剽窃もお断り。 複製のみならず、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Oct 25, 2022 04:16:18 PM
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