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先日、松江に泊まり掛けで、中国・四国地区の上記セミナーに初めて参加させていただきました。 350人が集まるも、山口県内の児童養護施設からの参加者は他に無く、知らない方ばかり。 しかも分科会に児童養護施設の範疇はなく、保育所経営、介護保険事業経営、障害者施設経営の3つ。 障害者施設経営を選んだところ、保育所経営に行くべきではないかと県本部からうちの施設に連絡があったとか。 でも設立趣旨からいって、うちと同様で全般に経営が苦しいのは障害者施設経営に違いなし。 20年近く前、自身が福祉に関わりはじめた原点でもあり、今、どのような状況であるのかも興味あっての選択でした。 先ず社会福祉法人全般をめぐる情勢は、政権の不安定さにあって政策に反映されにくく、5年10年先が読めない状況。 その中で、宗教法人の問題と同様、公益性をきちんと伝えなければ、非課税や寄付金控除の優遇が問われるようになる可能性もあり、課税となれば固定資産税の捻出は難しく。 本来は、公が行わなかったことを先駆的に活動してきたことが原点であるも、現在は大半の施設が、柔軟性や機動力を欠き、競争力も脆弱で、倒産しないような体質が地域社会から見放されているような中、地域との関わりが課題であるということで、様々な取り組みを学ばさせていただきました。 特に分科会に於いて、事業展開の一例として津山市に於ける、様々な分野との異業種交流によって街を変えようといった意識を共有することで、先ずは若者の流出を減らすべく、専門性を持った学業も雇用先も、その街で提供し還元されるようにといった取り組みは、興味深くもあり。 また障がい者施設経営は、10年前から地域生活へということで、グループホームや、ケアハウスへの移行が進められる中、施設には取り残されたかなり重度の方ばかりとなり、職員の負担も大きく、職員の気持ちが途切れないように引っ張り上げることも重要な課題になっているとか。 そういえば、児童養護施設も地方自治体の運営による地域分散のグループホーム型や北米のような里親制度重視への過渡期と言われ、今後定員規模の縮小が図られる中、小分けに広く経営展開するか、閉じるかの選択を迫られる時が、いずれやって来るに違いないと、改めて感じました。 交流会は、たまたま隣に腰掛けさせて頂いた方と、「(壇上で演奏している)吹奏楽が、みんなクラリネットやトランペットばかりでは音楽に深みはなく、対旋律や中低音があるからこそ響きが増すように、施設経営も同じようなことですね!」といった話を皮切りに意気投合。 もう片一方には、昨年先輩がお見合いした相手のお父さんが座り、そういったことは抜きにしての福祉談義が3人でヒートアップ。 音楽談義の方に、そのまま二次会へ連れて行って頂き、福祉に関しては素人で若いからと、本部を含め青年部や各地で活躍する方々の真ん中に据えられ、様々な意見と気持ちを預からせていただきました。 翌日は、全体会の最後に、政界から引退し、85歳となった現在も社会福祉法人の理事長を続ける野中広務氏による講演。 かつて一部紙上では悪党のような書かれ方をしていた印象が、ずっと心に残っていましたが、パッと目に入った時、やはり同年代であり陰で悪党と呼ばれながらも愛嬌のある、うちのおじ様と同じような雰囲気。 スッと宙を見上げつつ入場する様に、老練な禅僧をも思い起こさせ、ちょっと身震い。 こんな方は、滅多に見掛けなくなりました。 国鉄から園部町長へ。 町村会長を経験して京都府議に。 老人ホームや障がい者施設の理事長も務めつつ副知事となり、当時の共産主導の府政による腐敗を改革し、58歳から衆議院議員に。 最後は官房長官まで務めるも、総理の座を固辞して引退といった族議員とは全く違った経歴から出る一言一言は、ユーモアも交えつつ、90分間全く緊張感を途切れさせず、凄まじいなあと思いました。 自身が長く主になりすぎては、組織が駄目になるので、後進を育てるため各所に長居せずサッと退く、といったあたりが面白く。 老人ホームの理事長としては、位牌堂や納骨堂を設置することで、各者の安心を得られたという話も、30年以上前は、先進的であったことでしょう。 最後にひとこと「まだまだ足腰が立つ限り、嫌な言葉を吐いていきたい」との言葉を残し、今度は入場時と違って、頭を垂れたままサッサと退出する様子も面白く。 おじ様同様、豪快な手腕に敵も多けれど、権威や名声を求めるでなく、きちんと目的を持って遂行してきた自信が漲っておりました。 「政治家には、媚びることなく対等に。そして自分たちで育てる、人を磨くといった意識があってこそ、我々の代議士として真の活躍につながる」といった、山口に於いて、おじ様から常に学んできたことも、ふと思い出しつつ。(大それたこともなく、民主主義として当たり前のことではありますが) 充実した二日間にあって多くのヒントを得、私も風を切るような気概で、清々しく会場をあとにしました。 松江城の北側にある万寿寺は、道場の大先輩が眠っておりまして、雲水行脚時以来の訪問。 こっそりと手を合わせて参りました。 ようやく山口も梅雨明け。 明日から「昼寝どうぞ」の看板を立て、風が涼しい本堂をお昼休みの方々に開放することに致します。 一足お先に、おやすみなさい! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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