新マンガ日本史「春日局」。
江戸時代の幕が開けた頃、徳川家には将軍の跡継ぎをめぐる対立が起きていました。
2代将軍・徳川秀忠の長男・竹千代と、器量の優れたその弟・国松。
時代の転換期に起きた対立の裏で、「育ての母」~春日局~と「生みの母」~お江の方~との我が子への深い愛情が交錯していました。
織田信長が天下統一事業を進めていた1579年、お福(後の春日局)は、斉藤利三の娘として生まれました。利三は、織田信長の重臣・明智光秀の家老を務めていましたが、お福が4歳の時に、本能寺の変が起き、秀吉との戦いに敗れ、磔になってしまいます。
16歳で、小早川秀秋の家老・稲葉正成と結婚しますが、その後、正成は小早川家を離れて牢人の身になってしまいます。そんなお福に父が優秀な武将だったことから、2代将軍の秀忠の長男・竹千代への乳母にと抜擢されます。お福は、夫と離縁し、江戸城入りします。
竹千代は幼い頃、体が弱くて言葉を話し始めるのも遅かったのでした。一方2つ年下の国松は、幼い頃から利発な子供で、将としての資質も備えていました。秀忠もお江の方も、次第に国松に期待をかけるようになりました。
そんな立場にあった竹千代を、春日局は工夫を凝らし、愛情をこめて育て、260年に渡って続く天下泰平の江戸時代の礎を築く名将軍・3代家光を誕生させたのでした。