朝日新聞出版、マンガ日本史「観阿弥・世阿弥」。
室町幕府3代将軍・足利義満の治世。動乱がようやく落ち着きをみせ、人々は、明るい平和な時代の兆しを感じ、町のそこかしこで演じられる、さまざまな芸能を楽しんでいました。
そんな芸能のひとつであった猿楽の世界に、観阿弥と世阿弥という親子がいました。
彼らは、観阿弥の確かな芸と、世阿弥の類稀な美しさを武器に人気を博し、数ある芸能の中から、猿楽を当代随一の芸能に押し上げました。
世阿弥が12歳の時、舞台を見た足利義満に気に入られ、義満が世阿弥を寵愛しはじめてから、貴族たちはこぞって世阿弥を贔屓に。
貴族をとりこにする美貌を持つ世阿弥は、観阿弥率いる観世座のアイドル。
名門貴族・二条�良基の残した手紙によると、誰もが見惚れてしまうすばらしい美しさだったそうです。
どんな少年だったのでしょうね。。
観阿弥は、名プロデューサーでもありながら、舞いの名手。
体の大きな男性だったそうですが、少年を演じれば、12,3歳に見え、女性を演じれば、たおやかな風情があったそうです。
観阿弥は、52歳で亡くなりますが、2週間前まで舞台にたち、最後は、駿河国の浅間神社の舞台だったそうですが、老木に花が残ったような華やかさのある舞台だったそうです。
時の権力者のバックアップを得て、栄華を極めた観阿弥と世阿弥でしたが、決して芸の道をおろそかにすることなく、芸の奥義を追求し、後世に残したのですね。
時を超えて、能は現代に受け継がれているのです。
600年の時を経ても、観阿弥・世阿弥の残した作品を観られるということは素晴らしいことだと思います。