朝日新聞出版、マンガ日本史「出雲阿国」。
戦国時代が終わり、徳川家康が天下を納めた江戸時代、太平の世が訪れました。
しかし、そんな太平の世にあらがうかのような「かぶき者」(「傾く」(かぶく=常軌を逸しているという意味)と呼ばれる無法者たちが現れました。
奇抜な服装で町を闊歩し、けんかに明け暮れては世間を騒がせていたのです。
そんな中、京の都にかぶき者の格好をして踊る芸人が現れました。
出雲大社の巫女だというその女性の名は、阿国。
阿国の踊りはたちまち都の人々をとりこにするのです。
1607(慶長12)年には、江戸城で諸国の大名たちの前で初めて踊りを披露しました。
そしてその“かぶく”ということから“歌舞伎”の名が生まれました。
阿国の後も、「女歌舞伎」は大流行。
その頃は、女性のみの芝居で、着物の裾を膝上まではしょり、派手な振り付けで踊り、いわゆるAKB状態だったようで、侍社会の確立を目指していた江戸幕府としては、風紀を乱すという理由で女性が舞台に出ることを禁じたそうです。
そして、その後は、「若衆歌舞伎」が大流行しました。
これは、美少年たちによる歌舞伎。
今度は、ジャニーズ?!
ですが、こちらも1652(承応1)年に禁止。
以降、歌舞伎は成人男子男だけで演じられる「野郎歌舞伎」になり、次第に女役を専門とする女形などが出てきて、現代の歌舞伎につながったそうです。