朝日新聞出版、マンガ日本史「南方熊楠」。
南方熊楠~みなかたくまぐす~は、
江戸時代の終わり、1867(慶応3)年、和歌山城下の裕福な金物商の家に生まれます。
今まで出てきた偉人とは違い、なぜか学校の成績はあまりよくなかったとか。
学校の授業よりも、動植物の採集や、博物誌などの本を読むことが好きだったようです。
中学(現在の高校)を卒業すると、東京大学予備門(現在の東京大学教養学部)に入学。
成績がよくなかったと言っても、東大なんですね。
しかし、図書館通いと、植物採集に明け暮れて落第し、退学。
21歳でアメリカに留学、
最初はカルフォルニア、次はミシガン。
ですが、どちらの大学の授業も合わずに中退。
キューバに行って、曲馬団に入って、動物の世話をしたり…、
放浪生活を続けたそうです。
が、この時に、独学で様々な学問を修め、
語学も十数か国語をマスターしたそうです。
…語学ってそんなに覚えられるものなんですかねえ~。
ゆえに、後に「歩く百科事典」と呼ばれたのですね。
その後、イギリスへ向かい、
大英博物館で仕事をしながら、様々な研究を続け、
イギリスの一流科学雑誌「ネイチャー」に論文が掲載され、
世界的に名の知られる研究者に。
しかし、日本に帰国しても、どこの大学や研究機関に属さず、
一人で研究を続けます。
1929(昭和4)年、南方は、昭和天皇にご進講(身分の高い方に教えること)を行います。
何の肩書きを持たない学者のご進講は異例。
生物学に造詣の深い昭和天皇であられたので、南方をご存知だったのでしょう。
肩書きももたず、生涯、在野の学者として
現代にも通じる「エコロジー」の考え方を広めた天才学者でした。
日本人離れした高い鼻で
「てんぎゃん」(天狗のこと)というあだ名だったそうです。
なかなかのイケメンですね。