|
カテゴリ:ミュージシャン
美劇的かつポップな音世界はプログレッシヴ・ロック新時代の到来を予想させる。』 (1stカセット・アルバム) というキャッチフレーズで飛び出した吉祥天女。 初めて観たのは1986年の8月のE.L.L.だったと思う。 すでに時代はエレクトリック・ポップの時代へと変遷し、海外ではRUSHがいち早くプログレ・ハードと決別し、日本でもNOVELAが第3期に入っており、またLUSHELも次第にポップ化していく流れにあった時代。 もちろん日本プログレ界は死んではいなかった。 元NOVELAのトシ率いるGERARDや日本プログレ界のスーパーバンドVIENNAがその意思を引き継いでいたから、2005年の今でも“日本のプログレ”というある意味世界でも特別視されている特殊な世界が脈々と流れて続けているのである。 そういう意味では彼らは亜流だったかもしれない。 いや、インディーズという地位を利用して本当にやりたいことをやっただけかも知れない。 というのも、彼らがその後ポリドール系のレコード会社と契約してメジャーデビューした時のアルバムを聴いてみれば一目瞭然だ。 『One Night Lover』 (1988年) このアルバムの酷さは何だ!? 吉祥天女の魅力のカケラも見つからない。 実に中途半端なニューミュージックだ。 奇数拍子も使ってはいるがそれはプログレのそれではなく、単にアクセントとなっているだけの代物。 これはかつてBOWWOWの「さびしい遊戯」を聴いた時と同じくらいショックで、何度捨ててしまおうかと思ったくらいだ。 (BOWWOWの『ギャランティ』は雷切姫さんのご好意によりアルバム全曲聴くことができました♪ありがと~☆) しかしながら、そのデビュー前にリリースした60分にも及ぶ1stカセット・アルバムは素晴らしい出来だった。 全体を占めるのはやはり吉祥天女特有のポップ感覚ではあるが、変拍子の多用により程よい緊張感が生まれ、メロディも非常に際立っている。 キーボードを担当するジュンのインスト・ナンバーはあくまでも往年のプログレッシヴ・ロックへの尊敬の念が感じられる。 「禿山の一夜」をカバーしていたり、「プロローグ」~「夢と幻の碑」といったインスト・ナンバーをアルバム・トップに持ってくるあたりは大胆というか、いかにもプログレ・ファンを狙い撃ちした感があり、それが逆に潔さとして出ている。 歌モノに関しても、少しやりすぎかなとは思うものの、ライブを意識した聴く者への配慮というか一緒に楽しむための工夫がしっかりと感じられる。 特に「シェリル」「DANCER」はキャッチーなメロディの中にもプログレ・ファンをくすぐるプラス・アルファがあり好感が持てる。 そして何よりも彼らを印象付けているのが「シークレット・ライヴ」だろう。 この曲は完全にNOVELAの「シークレット・ラヴ」を意識して作っており、随所にそのコラージュ的な遊びが組み込まれている。 …というか、完全に「シークレット・ラヴ」のワンフレーズをパクッちゃっている(笑) これはマジでNOVELAファンは大いに怒るべきだ(笑) さて、来たる12/23、渋谷Egg-manにて彼らはLUSHELと対バンを果たすことが決定している。 LUSHELもド・プログレの中にもメロディアスなフレーズが散りばめられており、吉祥天女とは共通点も多い。 これはなかなか良い対バンではないか、と思っている。 ライブ会場が「夢なら覚めないでシークレット・ラ~ァヴ♪」と大合唱になることを夢見ている(爆)(^^;.... ライブの詳細はLUSHEL HPまで。 LUSHELに関する過去レビューはこれとこれとこれです。 また読んでいただけたら嬉しいです♪ メンバーご本人のコメントも多数いただいております☆ あ、それとmotoさん(Philさん)とのつながりはUKのレビューでのコメントから始まりました。 こちらも一応参考までに(笑) お知らせ: NOVELAのプチクイズ開催中です☆ 詳しくは8/14のレビューをご覧下さい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ミュージシャン] カテゴリの最新記事
|