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テーマ:宇宙(894)
カテゴリ:おすすめアルバム
昨日木星と土星の天体ショーについて書いたが、ふと冨田勲氏の『惑星』(1976年)を思い出し久しぶりに取り出してみた
これを買ったのはもう44年も前の話なので当時の記憶はほとんど覚えてないが、非常に重要なLPレコードであることは間違いない まだ中学生だったボクは徐々にハードロック少年へと生まれ変わっていった時期で、それと同時に今まで聴いた事もないような音楽の世界へも突き進んでいた 1976年にもなると既にプログレの世界にも1-2歩くらいは足を突っ込んでいたと思う そんな中で出会ったのがこの冨田勲氏の『惑星』だった どんなきっかけで知ったのか忘れてしまったがたぶんプログレ的な音楽の側面として興味を持ったのかもしれない キーワードは【シンセサイザー】 とにかくこのアルバムは”シンセサイザーだけで作られている!”と思っていた ミュージックライフ誌でキース・エマーソンのステージで配線だらけのキーボード群を見て驚いていた時期にそれ以上の配線だらけのスタジオの中で寛ぐ冨田氏って何者だ!?と思ってた これがシンセサイザーか!! by中学生のロマネスク(笑) その後、彼が実はボクが大好きだった「どろろ」や「リボンの騎士」などの手塚治虫さんのアニメ主題歌や「マイティ・ジャック」などの特撮テレビドラマの主題歌を書いた人だったことを知った その時は興奮したなぁ~!! あの「どろろ」の中間部の非常にエモいパートの演奏がメロトロンだったと知った時の驚きは心臓がバクバクしすぎて死ぬかと思ったほど幸福感に襲われたわけ ボクの音楽への想いが1人の人間によって時空を隔てて繋がったと思ったのだ 【Tomita Planets - Jupiter, The Bringer of Jollity】 壮大な物語がこの1曲に詰まっている まさに名演である! ところで中学生のボクはこの時点でメロトロンが何であるかなんて知らなかった だからこのアルバム中に時々聴こえてくるコーラスの声なんかもシンセサイザーで作っていると思いシンセサイザーに対して《どんな音でも作れる未来の夢のキーボード》だと思っていた、マジで(笑) しかし高校生になってよりプログレへ傾倒し始めた時にこのレコードのライナーノーツに書かれてあった文章や資料などの意味がようやくわかってきた、、、、 あ、メロトロンも使ってるやんけ! いや、冨田氏のライナーにもちゃんと書いてあったし(笑) てか本当にメロトロンなんて知らなかったからさ なんか知らないって事はある意味新鮮で素晴らしい事なんだなぁ、と今では思う ところで、 このアルバムはあの小惑星探査機【はやぶさ】とも縁がある 2011年に再リリースされた『惑星』には「木星」と「土星」の間に「イトカワとはやぶさ」というタイトルの楽曲が収録された もちろんこのイトカワとは2003年に発見された小惑星の事ではやぶさとはその探査機の事である (発見された2003年にはすでに糸川氏は亡くなってしまっていたけれど彼の偉業を称え命名された) ちなみに冨田氏はこの『惑星』をバレエの舞台で使ってもらおうと提案したのだがそのバレエ団に偶然そこに所属していたのがこの糸川氏であったという(糸川氏の趣味はバレエ) 冨田氏はそんな事は露知らず後年このような人脈に発展していったわけである こんな繋がりもあるんだねぇ~ つい先日探査機【はやぶさ2】が話題になったばかり (2014年に小惑星《リュウグウウ》へと旅立ちつい先日の12月6日に帰還したのだがカプセルだけ残して再び旅立った……てか働きすぎ! 笑) なんとなくボクの中ではこの一連の天体ショーがこの『惑星』を中心に回っているような気がした 、、、、惑星だけに () 冨田勲(syn) / 惑星 ULTIMATE EDITION [CD] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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拝啓 初訪問ですよろしくお願いいたします。
自分が1975年、17歳の頃音大受験に滑り仕方なく平リーマン生活始める直前、冨田勲先生に遅れる事4年で「国産一号機シンセ他」を月賦で購入、その後48年に渡り延々と音楽映像を続けて来ましたが、最も影響を受けた冨田勲先生のアルバムが「プラネット」でした。ご承知の通りこの「プラネット」こそ冨田先生「手弾きシンセの最後」であり、この後MC-8を用いたアルバムになりますが、正直MC-8以後面白くなくなるのです。MC-8は当時d自分も使っておりアマとしては国内初のユーザーとしてRolandからも知られ、更にMC-4Bまで使いましたが何故か違和感がありました。これはバッハレボリューションの田崎がいみじくも「鍵盤が弾けないからコンピューターを使うでは駄目だ」と。同感です。自分は4歳からのピアノで鍵盤は弾けましたからその方が早かったからなのですが、これがその後DTMになり苦労します。ご承知の通り、かなり以前から「冨田勲先生をおっ飛ばそう、駆逐しよう」という動きは多数ありましたが、その全ては完全に徒労でした。絶対に駆逐など出来ない今後も永久に。何故なら冨田勲先生には「後が無かった」から。断崖絶壁に居たのです。 此処が今の「逃げ場の在る奴ら」とは全然違う。「月の光」では現在のアマより酷い機材で創られ、その途方も無いド血を吐く様な、血尿が出る程の苦心で創られた作品に誰が駆逐等できましょうか。また特徴は「最初からメロトロンを多用」された点。先生はプラネットで「モーグとメロトンは横と縦の動きの整合性を測る為」と言われ、全てをモーグで行う事は不可能と解っておられました。更に「ぶっ壊れかけた鉄板回転エコー(リバーヴ)をステレオで使う等おそらく苦肉の作から生まれた物。また冨田勲先生は「どうも肝心要の制作秘話を明かしていない」のです。実はまだまだ相当に?の部分が在りおそらく誰にも解らないでしょう(ドラの音等) なお世間が一番勘違いしている点は「冨田勲先生が日本のシンセ導入第一号等では決して無い」事。これは1968年頃「時代劇水戸黄門BGM=木下忠司先生作曲」で既にシンセが多用され、これは木下先生への独占インタヴューでもはっきり教えて頂きました。更に東映アニメ等の作曲家「宮崎尚志さん」等も相当古くからシンセを使っていました。正確には「スタジオシステムの大型モーグの個人購入者日本初」が正しいです。また勉強させて下さい。 敬具 (2022年12月22日 20時18分57秒)
世の中には、とんだ勘違い、いや、そんなもんじゃない、頭ぶっ飛び過ぎのトンチキ野郎がいるもんで、「冨田勲をおっ飛ばそう」!?!?!? 本当に情けなくて、ため息も出ない。若気の至りとは言え、普通の神経じゃそんな事カケラも考えない。どんな素晴らしいシーケンサーを持っていても、冨田さんの足下にも及ばない。及ぶ訳がない。
(2023年12月28日 13時42分47秒)
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